2005年01月16日

ものづくり魂に感心・・。

博多IMSで開かれている海洋堂の企画展を見た。
海洋堂といえば、オタク心満載の「食玩」を供給する職人集団。
会場では食玩を中心に1000を超えるアイテムを展示していて、壮観。
娘と二人で「ほぉ〜」と感心しながら一つ一つ見て回る。
(一部、R-18的な造型には困ったけれど・・・)

感心したついでに、海洋堂に関する書籍も購入。
1960年代の創業時からの歩みや、追い求めてきた「職人魂」ともいうべき内容が満載だった。
なぜ、海洋堂が、一部の熱狂的な「サブカルチャー」ファンから広く性別や世代を超えたファンを獲得することになったのか、非常に分かりやすく読むことができた。

大量生産・大量消費の時代が続いている中、出版社などと結びついた巨大玩具メーカー「マス・プロダクツ」の商品に納得しなかったプラモ職人たちが追い求めたのは、『自分たちが欲しいものを自分たちで造ること』。
これって、時代のキーワードのような気がするんですね。
以前は、トレンドというものが「マス」によって形成されて、皆がそれに飛びつけば安心していたのだけれど、現代は「自分はそれをどう思うのか」「自分の欲求はどこにあるのか」というのを的確に見据えておかないと、『創造』も『消費』もぶれる時代。

『自分たちの欲しいものは何か?』
ここには売れる売れないという、消費者におもねった価値観が微塵も感じられない。
経営としてこれで成り立つはずない、と常識では思うが、どっこい海洋堂は、貫きつづけて「世界一のクオリティを誇る模型メーカー」となったのだ。

ものづくり職人の原点を見たような気がした。