2003年11月23日

写真家 山頭範之さん

番組のお客人として長崎出身の山頭範之さんをお迎えした。

山頭さんは1974年生まれの29歳。
北海道・帯広畜産大学に在学中、昨年10月に米軍のアフガニスタン空爆が開始されて間もなくパキスタンに行き、アフガニスタンの難民らを撮影。
戦火の中をたくましく生きる民衆や難民の表情を撮影したモノクロ30枚の組み写真で山形県酒田市が設けている「土門拳市民文化賞」を受賞しました。
さらに今年6月から三ヶ月間、戦火のイラクで取材。
撮影された写真は「Iraqu2003バグダッド報告」として今月25日から展示されます。

番組内では、何故、戦地を訪れたのか。
どんな思いでカメラを向けたのかなどじっくりと話を伺うことができた。

山頭さんの写真や、どんな思いでアフガニスタンやイラクで過ごしたかは、氏のホームページに全てありますので、是非、ごらんください。【 こちら 】

イラクの情勢が緊迫化し、さらに自衛隊の派遣という重い問題を抱える中、どんな話が聴けるのかとても興味深かった。
メディアを通じて流れてくる話をどこまで信じていいのか。果たして本当のイラクの人たちはどんなことを考えているのか。
自分自身の目で確かめることができない中、実際にイラクの人たちと接し、ファインダーでその表情・様子を記録した山頭さんの話はとても重要だ。

山頭さんの写真の数々やレポートを読んでいただくと分かるが、じつに自然に、多くのイラクの人々や子供たちにすんなりと受け入れられているのが分かる。
素直な自然な表情の数々。それは何故なんだろうと思いながら生番組に突入した。

番組の中で、当時の様子を思い出し涙ぐみながらも、とつとつと話を聞かせてくれる山頭さんと接するうち、山頭さんの持つ「まっすぐ」さや「純粋さ」が、国境や民族を越えて多くの人たちに受け入れられたのではないかと感じた。
功名心、駆け引き、金といった「裏側のない」ピュアな山頭さんに惹かれ、イラクの人たちは、取材に応じたのだと思った。

国際貢献や支援のあり方というのはさまざまな形があると思う。
日本人を現地に派遣するにしても、選択肢は「自衛隊員」だけではないのかもしれない。

イラクやアフガニスタンのために何かしたい、支援したいと思っている人も多くいるかも知れない。
山頭さんは、再び、アフガン・イラクに渡りたいと考えているそうだ。
氏が再び、かの地へ渡り、そこで見聞きし、撮影された写真を日本に伝えてくれることは、イラクの現状を理解するうえで大きな意味を持つと実感した。

是非、彼をもう一度、送り出してあげられればと思う。