2003年07月02日

アーティストは大変 その2

最近感じるもう一つの共通した部分。

アーティストと一口に言っても、長い歴史の中で完成された「形(型)」に自分(たち)を近づけていく芸術に身を置く方々と、少しづつ「形を創っていく」芸術に携わっている方がいらっしゃるということ。

前者は『職人芸』に近いのかも知れない。『道を極める世界』。
伝統芸能や、クラシック音楽、純邦楽などの世界では、《求められる形》が厳然としてある。
極めて高いその領域まで、努力と才能なくして簡単に到達はできないのだけれど、一方で”自分の表現・自分らしさ”というのは、基本的に余計な要素となる。

逆に、まったく《無》の中で、自分の力で、《形》を作り上げていく芸術。
時間はとてつもなくかかるかもしれないけれど、『自分だけにしか産み出せない芸術』。
誰も真似ることができない。『その人一世だけの芸術』。
もちろん、この世界は「すんごい才能」と「産み出すチャンス」「世の評価」が絶対条件な訳で、簡単にいかない。

アートといいながらも、どこかすでに世にあるものに似てしまうし、完全オリジナルとは難しい。

《道を極める芸術》か《自分しか産み出せない芸術》か。いずれにしてもその道が極めて険しいのは想像に難くない。