釣行報告

NO.42 季節はずれのタナゴ釣り、惨敗!

GWの前週、TVの釣り番組製作をしている友人から「面白いビデオを見せて上げる」と言われた。友人は、その2、3日前に茨城・霞ヶ浦(西浦)北岸のホソへマブナ釣りのロケに行っていた。ビデオは、その時に撮ったものとのこと。

 

いきなり水中を漂うハリに付けられた赤虫が映し出された。次の瞬間、数尾の魚がその赤虫の回りに寄って来たかと思うと、次から次に水中カメラのレンズの前を魚が横切っていく。その魚は、紛れもなくオカメタナゴ(タイリクバラタナゴ)である。

 

「凄いでしょう」と友人。タナゴは、通常、11月頃から接岸を始め、冬の間、船溜まりやホソに入り込み、春の訪れとともに湖や池の深場に移動して行く。一部の群れは、暖かくなってもホソなどに残ると言われているが、冬の間のように数釣りが楽しめるような量ではない。ところが、目の前に映し出されているオカメの魚影は、半端な数ではなかった。

 

「行こう!」。その場で即決となったが、仕事の関係で、出掛けられたのは、GW真っ只中の5月4日。1日と2日に冷たい雨が降ってしまった。撮影したホソは、水深50cm程の所だったと聞いていたので、状況の変化が心配だったが、「あれだけの数がいれば、その場所じゃなくても可能性はある!」と、希望的観測の元、友人と仕事仲間のK介を誘って三人で出掛けた。

 

当日は、快晴でほとんど風もなく、絶好の釣り日和。「こんな日に竿を出せれば、魚なんか釣れても釣れなくてもいいよね」と小生。「確かに。でも釣れた方がいい。水槽にカラス貝を買って入れて来たんだから…」と友人。オカメに産卵させるつもりで、万端整えて出掛けてきたようだ。

ところが、現場に着くと、撮影をしたホソは、水位が上がり、濁りも酷く、おまけに流れもきつくて、とてもタナゴ釣りが出来る状況ではなかった。そこで周辺のホソで釣りが出来そうな所を片っ端から狙ってみることにした。

友人もK介もタナゴ釣りは初体験。前の晩に三人分の仕掛けを作り、現場で黄身練り(オカユ粉を卵黄で溶いだ物)を作った。

 

2度目に狙ったホソでアタリが来た。ウキの頭をチョンと引き込むようなアタリに「オカメだ!」と思ったが、釣れて来たのはタモロコ。続いて友人が「釣れた」と騒いだが、ハリの先に躍っていたのは5cm級の小ブナ。間もなくK介にも小ブナが釣れたが、その後が続かず、2度目の移動。

その後も移動の度に“何か”は釣れたが、肝心のタナゴの姿は拝めない。そこで、思い切って北浦東岸まで移動した。“額賀ドック”下のホソを最終の狙い場に決めたが、到着したときには既に午後5時半を過ぎていた。いくら日は長くなったとはいえ、6時が限界。3箇所に散って、最後の勝負に出たが、釣れて来たのは、またしてもタモロコだけで、あえなく撃沈。

「う〜ん、やっぱりこの間の雨で居なくなっちゃったのかね」と友人。水槽のカラス貝は、来年まで大事に生かしておいてもらおう。

 

 

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