釣行報告

NO.03 山形県・最上川支流の渓流釣り

ここ10年程、年に1度ずつ仲間と初夏の東北地方に渓流釣りに出掛けている。今年は4人で出掛けた。その昔、東北地方の渓流と言えば、深山幽谷に分け入る健脚の釣り場がほとんどだった。しかし、近年、山岳道路や林道の整備が進んだ上に、四輪駆動車の普及などもあって、足腰に衰えを抱えた我々オジさん釣り師にも十分渓流釣りが楽しめる。

 

今回は、福島・南会津の桧枝岐川(その昔、秘境の名を轟かせた渓流)下流にあたる伊南川水系からスタート、支流の舘岩川で竿を出した。川幅も広く、落差も小さいオジさん向きの釣り場。水量も豊富でポイントも多いが、車を降りればすぐ釣り場なだけに、見てくれ程の魚影もなく、2時間程竿を出したが、1人がテンカラ釣り(毛バリ)で17、18cmのヤマメ2尾を釣っただけだった。

 

そこで、一気に山形県まで移動を敢行。夜通し走って、最上川水系を狙った。釣り場に近い“道の駅”に駐車、車中で3時間程仮眠して午前4時前に起床。フラフラしながら、顔を洗い、コンビニで入漁証を買って、支流の角川に入った。

当日は日曜日。宮城ナンバーや福島ナンバー、あるいは東京ナンバーの車を何台も見かけたが、ほとんどの車は、わき目も振らずに上流に向かい中流域はガラガラ。オジさん釣り師にとって“高巻き”や“へずり”は即遭難に通じる。比較的足場もよく、空いている中流域こそ我々の釣り場だ。

適当な場所に駐車して、2人ずつ分かれ、上下流に入った。小生は車から程近い荒瀬に入り、養殖ブドウ虫を餌に釣り始めた。せせらぎと鳥の声以外耳に入る音はなく、気分は最高だ。何度か仕掛けを流す内、目印にコツッとヤマメ独特の小さなアタリ。すかさず合わせると、いきなり重量感溢れる引き込み、腰を落として取り込みに入った途端、水面に27、28cm級のヤマメが踊り上がり、次の瞬間、ハリスが切れた。実は仕掛け投入前に仕掛けの不備(オモリが糸に絡んでいた)に気が付いていた。しかし、問題ないだろうと思ったのが間違い。20cm前後のヤマメなら、切れることはなかったはずだが、そんな時に限って良型が来る。これまでに何度も経験したことなのに…。後で仲間から散々とっちめられた。

結局、その後はハリスを切られた奴程の良型は釣れず、20cm足らずのヤマメ2尾。他のポイントに入った仲間達も17〜20cmのヤマメを2、3尾ずつの成績だった。

釣ったヤマメは沢に降りて3枚におろし、持参のフライパンにごま油を敷いてサッと炒めて食べたが、実に旨かった。そして十分幸せな気分に浸れた。

 

その晩は、最上小国川沿いの宿(一泊素泊まり2700円)に泊まり、翌朝は再び4時起き。前日、帰りがけに様子を見に寄った銅山川に入るか、再び角川に入るかで迷ったが、銅山川は雪代が完全に納まっておらず、釣りにくいだろうとの“オジさん会議”の結論で、角川に向かった。結局、これが凶と出て、角川の中流域(前日よりも下流)に入ったものの良型のハヤ(ウグイ)を何尾かずつ釣っただけに終わった。その後、銅山川の上流部(水量が少なくなる)に入り、1時間だけ竿を出したが、1人が25cm級のイワナを1尾釣ったが、そこでタイムアップ。

 

山形自動車道経由で東京に戻ったが、走行距離は1300kmを超えた。運転免許を持たない小生は、終始助手席に座っていただけだが、それでも疲れた。しかし、獲物は大したことがなくても、やはり渓流の遠征釣行は楽しい。「来年も生きていたら又行こう」と言い交わし、解散した。

山形県最上郡戸沢村大字古口周辺の地図

 

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