競馬雑記帖

NO.23 “つり人”買って!

小生の“友人”に実に元気なおじさんがいる。御歳50ウン歳、小生よりもひとつだけ上である。釣りの業界(と言っても出版関係だが)に身を置いて既に30有余年、今では“トップ”に上がり詰めている。

彼の存在は20年以上前から知っていたが、親しくなったのはつい最近のことである。このおじさんがとにかく元気。ラジオのレギュラー番組を毎週こなし、釣り業界のありとあらゆることに顔を出している。そして、とにかく精力的に働く。とても真似が出来ない。それでも釣り雑誌(月刊誌)は売れない。売れないだけではなく、広告もなかなか入ってこない。彼の顔の皺が月を追う毎に増えていくのを見るのは辛い。

ほとんど休みというものを取らない御仁だが、たまに休めば釣り場に出掛けている。本当に釣りが好きなのだ。小生も釣りが好きということにおいては、人後に落ちないつもりでいたが、彼には負ける。最近では、小生の使うタナゴバリまで研いでくれる。あれだけ忙しい男によくそんな余裕があるものだと、感心してしまう。

彼と小生の共通点は、この業界で煙たがられているということ。理由は、歯に衣着せずにものを言うからである。しかも、その言い方に優しさがない(我々2人以外の仲間がそう言う)そうだ。お互いに「あんたにだけは言われたくない」と言っているのだが、どうやら外から見れば、2人とも五十歩百歩のようである。

このおじさんが作る本は実によく出来ている。仕事が丁寧なのである。日頃の言動からは想像も出来ない程緻密な仕事をする。

 

現在、2人とその仲間たちで少しでも釣り界が隆盛になるべく色々とやっている。すぐに実を結ぶものはほとんどなく、気の長い話ばかりである。「ウチ(彼の出版社)が潰れない内に少しでも何か出来ればいい…」と、彼は言うが、見上げた男である。小生は、サラリーマンを生業としており、自棄をおこさない限りは、食うに困ることはないが、彼は家族と従業員、そしてその家族のことも考えていかなければならない立場にある。本音を言えば、“正業”にだけ精を出していたいところだろうに…。こんな男が釣り業界に居る限り、この業界もまだまだ大丈夫!?そう信じたい。

釣りファンの皆さん、月刊・つり人を買って下さい!!

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