競馬雑記帖

NO.21 釣りに行こう!!

いい天気である。こんな日にコンクリートのビルの中で仕事なんぞしているのは馬鹿である。しかし、だからと言って、出社を拒否し、気の向くまま竿を担いで釣りに出掛ければ、たちまちデスクはなくなってしまうだろう。人間とは不便な生き物である。

関東では桜が散り、そろそろ田植えが始まる頃。カエルの鳴く畦道を首から箱ビクをぶらさげて、手には「竿治」の竹竿、田んぼからちょろちょろと水が流れ込むホソに仕掛けを入れる。小さなトウガラシウキに引っ張られ糸ウキがツツッと消し込む。軽く竿を立てて合わせると、10cm足らずのマブナが、小気味よい手応えを残し、手の中に…。うーん、まさに日本の釣りではないか。

この清々しさ、楽しさは現代の若者にも十分理解できるはず。日本人の感性と言ったらオーバーだろうが、DNAの中に組み込まれた“情報”は世の中がいくら変わってもそう簡単に変わることはないはずだ。

若者達よ、まずはマブナ釣りに出掛けよう。釣りの楽しさを理解するには、これに勝る釣りはない。釣りの楽しさが分かってくれば、やがて清流や渓流の釣り、そして磯や防波堤、さらには沖釣りへと発展していくはずだ。そして、再び、マブナ釣りが恋しくなる。

「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」とは、このことである。鮒とはヘラブナにあらず、マブナのことである。最近、この鮒をヘラブナと勘違いしている向きも多いようだが、ヘラブナは近年になって琵琶湖に生息するゲンゴロウブナを改良して創られた魚である。

釣りを愛するようになれば、嫌でも自然がいかに大切か分かってくる。若者よ釣りに出かけよう。茨城県の潮来周辺や霞ヶ浦周辺、一時は農薬の影響などで魚影が薄くなっていた釣り場も、今では昔に勝る魚が居る。その気になれば、マブナは簡単に釣れる魚なのだ。

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