競馬雑記帖

NO.18  何十年やっていても競馬は難しい

第129回天皇賞・春は横山典弘騎手が久し振りに快心の騎乗で7馬身の大差で逃げ切り勝ちを決めた。戦前「4強」といわれたリンカーン(13着)、サッツザプレンティ(16着)、ネオユニヴァース(10着)、ゼンノロブロイ(2着)は揃って討ち死に。結果としては、勝ったイングランディーレだけがステイヤーの競馬をして、残る17頭は、スローペースの12ハロン競馬をしたということである。したがって4強中、最も距離に不安があった(今でもこの馬はミドルディスタンスホースだと思っている)ゼンノロブロイが唯一2着(後ろの17頭の競馬では1着=やはり12ハロンまでならこの馬が一番強い)に入ったわけである。

 

そんな競馬になった原因は、ザッツザプレンティとリンカーンの体調不良(騎乗ミスではなく、両馬とも騎手の指示に反応しなかった)に尽きると思う。しかし、GIレースで馬の実力発揮度を疑っていたのでは、予想は成立しない。少なくとも全馬が8割以上のデキで出走しているという前提でなければ競馬自体が非常につまらないものになってしまう。調教師たちもそんなことは、先刻承知のはずだ。それでもこんなことが起こるのである。「だから競馬は面白いんだ」と言う人もいるのだろうが…。

 

とにかく、何十年やっていても競馬は難しい−そうとしかいいようがないのが、少々情けない。

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