2003年11月28日

199回という凄さ

他所にないそうだ。

地方にありながら、年に数回、噺家を呼び寄席を催す。
今回で199回目。
40年近く、自らの懐から資金をつぎ込みながらもずっと維持してきた「長崎寄席の会」。

世話人の花山一太さんはずっと裏方だった。
が、翌日の80歳の誕生日を前に、思うところあって、初めて高座に立った。

そりゃぁプロの噺家ではないので、お世辞にも目を見張るような高座ではなかったけれど、お客さんたちも、40年近くという長きにわたって活動を継続してこられた花山さんに、暖かい拍手を贈り、会場は実にいい雰囲気だった。

今日だけは特別。
199回もやってこられたのだ。
おそらく、長きにわたって続けてこれた自分に対するご褒美なのでしょう。

寄席がはねた後、お客さんを着物姿で見送る晴れやかな表情の花山さんを見て、なんだかこちらも嬉しくなってしまった。

199回続けてきて、たった1回だけの高座。
日常、テレビという高座に立たせてもらっている私。

仕事として、高座に立てる幸せを改めて噛みしめた。

自分が80歳になったとき、あんな堂々と高座に立てるのだろうか?
そして、こんな表情ができるのだろうか?