2003年02月26日

衝撃走る

 県内で過去最大の経営破綻。

 ハウステンボスが、事実上倒産した。
 朝早くから、報道部は対応に追われる。

 昼頃、借金棒引きの代わりに引責辞任した、創業者、神近前社長のコメントが発表される。
 読むと、どことなく違和感を感じた。

 いわく「サービス業であるハウステンボスを銀行が直接経営することで(中略)事業の内容や理念を理解することができず、これという決定打を見いだせないまま…」という部分。

 いかにも、「サービス業の人間でない銀行出身の人間が経営にあたって上手くいくはずがない」という内容。
 ま、そりゃそうかもね、とも思うが、これまでの11年間で、最終的な決算が黒字になったことのない企業の前社長が、それを言っちゃ〜お終いよ、という感も否めない。
 つまり、逆にあなたの経営手腕は?経営責任は?と言いたくもなる。
  
 夢を抱き、まちづくりに哲学をもって突っ走り続けたHTB。
 長崎にこんなものがあるんだと、誇らしく思っていた人は私だけではあるまい。

 確かに、チマチマと開発を行なえば、あれほどのインパクトを持って世間に受け入れられることはなかったはずだし、時代もバブルで浮かれてはいたという背景もあったろう。
 しかしながら、身の丈にあったサイズではなかったということが残念ながら、この10年で明かになってしまった。ホントに結果論だけれど。

 足元を眺めれば、この10年余りすっかりHTBに頼りきった長崎の観光の現状が横たわっていて、失ったものは実に大きい。
 再生に向けて、立ち上がらなければならない、と感じると同時に、この11年間見たHTBという夢。もしも、この施設がなかったとしたら、もっと長崎は落ちこんでいたかもしれないと考えると、あまりにも切ない。