みなさんの現役時代で、一番想い出に残る名曲ってなんですか? お便り、メールもお待ちしています。
| 演奏会 その6 「音楽史を飾った名曲」 |
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フレーベル少年合唱団 渡辺月彡子
ご覧になった方も多いと思うが、日曜朝のテレビ朝日「題名のない音楽会」で「20世紀に残したい名曲BEST-30(50だったかも知れない)」を選出した。
何代かに引き継がれ今は羽田健太郎氏が司会を務めるこの長寿番組を、私は殆ど毎週見ているが、殊にこの「20世紀に残したい...」は見落とさないよう注意していた。選曲方法は、視聴者からの膨大なアンケートをもとに、現代日本を代表する指揮者・作曲家が昨年秋からその任に当たり、まず100曲→50曲→30曲→10曲、そして先日遂に「BEST5」が発表された。選曲の条件はただ一つ、これが何と「ジャンルを問わない」。
当初この「ジャンルを問わない」の条件に大方の選者が異議を唱え、中には立腹する人さえあったという。確かに無茶苦茶な条件ではある。が、試してみてもいい条件だ、とも、私は思った。 「本来音楽をジャンル別に括ること自体、邪道だ」と力説するA選者、「国・人種・歴史etc.から文化の違いが発生するのは当然、ある種のジャンル発生もまた然り、故にジャンルを問わないことこそ邪道なり」と主張するB選者。この選者の侃侃諤諤がどんな経過で纏ったかは分らないが、ジャンルを問わず「20世紀に残したい名曲」の選曲は進んだ。そして遂に次の5曲が待望の「BEST5」。皆さん、何が残ったとお思いですか?
オーッと答を列挙する前にこれをお読みの皆さんへ。番組をご覧になった方も、ご覧でない方も、ぜひご自分の「BEST 5」を選んで比較して見て下さい、但し「ジャンルを問わず」。
因みに私の「BEST5」は、第5位「ショパンのピアノ協奏曲」、第4位「ヴェートーベン・熱情(バックハウスのピアノで)」、第3位「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲2番・3番」、第2位「分らない」、第1位「分らない」。BEST1と2は、本当に何を挙げていいのか分らなかった、それに私の乏しい音楽知識で「20世紀に...」など実はとてもとてもおこがましく、怖くもなってしまったのだ。
さて番組の「BEST5」 。
さァ皆さんご自分の選曲と比べて如何でしたか?
私は、とにかく驚いた。上位5曲に何が入ろうと既に優劣なしと、内心、思ってもいたし、当然、錚錚たるクラシックの名曲が並ぶものとも思っていた。上位100曲にクラシックが多かったのは事実だが、第1位はご覧の通りビートルズから「YESTERDAY」。私はこれが本当にうれしかった。そう、名曲とは何もクラシックにのみ許された形容ではない、少年合唱というクラシック分野に座り込んだ私はすでに色眼鏡をかけ、1位は当然クラシック中のクラシックだろうと思い込んでいたのだ。
「20世紀に残したい...」の第1位「YESTERDAY」の選曲は、こんな私の思い込みを完全に排除して、改めて「名曲」が何たるかを教えてくれた。名曲とは、それこそジャンルを問わず、誰にでも心からうなずける、感動出来る曲を云うのだ。「YESTERDAY」を第1位に選んだ選者の見識に、私は脱帽した。
さらにまたすっかりうれしくなった私は、改めて当団の歴史を思った。当団は2年後の2003年に創立45周年を迎える、そしてやがて50周年...。
私はこの当団45〜50周年に向って、改めて当団が拘わった名曲の数々を振返ると同時に、今後拘わるかも知れない名曲を、それこそジャンルを問わず、考えてみようと思った。世界音楽史上の名曲選出は無学の私にはとんでもない思い上がりだが、当団が拘わってきた40年をほんの少し整理することは出来るかも知れない。そこには、きっと、日本の少年合唱が選んだ名曲の幾つかが浮かび上がってくる筈だ、なにしろ当団の歴史は日本の少年合唱の歴史でもある故。そしてまた、それ故にまた、過去の整理は、当団や日本の少年合唱が明日に取り組むべき道筋を、多少なり教えてくれるかも知れない。
少子化・受験・文化・娯楽の多様化etc.などの状況変化に加え、体格の向上からますます早まる変声期と、少年合唱には厳しい条件が山積みだが、沢山の名曲が歌って欲しいと待っていてくれる筈。
ちょうど今は今年の演奏会(第41回、11/21(水)、イイノホール)の最終選曲期、さあどんな名曲を皆さんにお届け出来るのか、指導の先生方の豊かな学識におすがりしても、超足りない浅学の私がもがき苦しむ日は続くが、何とか頑張ってまた新たなる名曲を見つけて行きたい。そう、名曲とはなにも難しいクラシックばかりではない、身近にあるあの曲も、大きな感動を聴く人に与える名曲なのだ。
難問を抱える今日の当団・明日の少年合唱ではあってもきっとすばらしいその名曲が、頭上の難問を少し軽くしてくれる筈...。
(2001.5.2)