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『ミニトレック(mini-trek)』

『ミニトレック(mini-trek)』はコンピュータゲームの黎明期の有名なスタートレック(Star Trek)をメモリの少ないファミリーベーシック向けに移植され、ファミコンソフト集 (003) (ファミコン大作戦) (誠文堂新光社)に掲載されたものです。
京ぽんではファミリーベーシックほどのメモリ制限はありませんが、京ぽんの画面の狭さ、ミニトレックのプレイの手軽さから移植してみました。

ゲームのルール

概要

プレイヤーはエンタープライズ号の船長となり、30日以内に敵クリンゴンを全滅させます。
舞台は宇宙空間で、2種類のセンサーとワープエンジンと光子魚雷が装備されています。
敵の攻撃やワープでエネルギー切れになってしまうか、あるいは制限時間の30日以内にクリンゴンを全滅できなかった場合ゲームオーバーになります。

ロングレンジセンサー

宇宙はエリアと呼ばれる大きい区切りで6x6に分けられます。
このエリアの状況を表示するのがロングレンジセンサーです。
各エリアは2桁の数字によって表されています。左側(10の位)は味方の基地の数、右側(1の位)は敵クリンゴンの数を示します。
ロングレンジセンサーはエンタープライズ号がいるエリアとその周囲に隣接する8エリアの状況を表示します。未到達/未隣接で状況がわからないエリアは"**"で表されます。

ショートレンジセンサー

各エリアはセクター(sector)と呼ばれる小さい区切りでそれぞれ6x6に分けられます。
セクターの状況を表示するのがショートレンジセンサーです。
セクターは1文字で表され、Eがエンタープライズ、Kがクリンゴン、Bが基地、.(ピリオド)は何もない空間です。
ショートレンジセンサーは現在エンタープライズ号がいるエリア内のセクターを表示します。

ワープ

エンタープライズ号はエリアを移動するロングワープとエリア内のセクターを移動するショートワープができます。
ミニトレックのエンタープライズ号は優秀なので方向と距離を自分で計算する必要はなく、ロングワープもショートワープもワープアウトしたい座標を指定するだけで正確にワープできます。
ショートワープは時間も消費エネルギーも誤差の範囲内ですが、ロングワープは1日分の時間と距離相応のエネルギーを消費します。
目的地までのエネルギーが足りない場合ワープはキャンセルされます。
エネルギーが少なくなりすぎると0ではなくても手詰まりになってしまい事実上ゲームオーバーとなりますので注意してください。

光子魚雷

敵クリンゴンを破壊する唯一の武器です(フェーザー砲は壊れたのでしょうか…)
こちらも方向を自分で計算する必要はなく敵のセクター座標を指定するだけであいだの障害物に関係なく目標を攻撃してくれます。
ただし敵との距離が離れているとたまに外れることがあります。
またエンタープライズ号が現在いる以外のエリアの敵には魚雷は届かず攻撃できません。
光子魚雷は撃つと残弾数が減っていくので攻撃できなくなる前に基地に寄って補充してください。

敵クリンゴンの攻撃

ゲーム開始時、ワープ後、攻撃(光子魚雷)後にエンタープライズ号と同じエリアに敵クリンゴンがいる場合敵からの攻撃を受けます。
敵の攻撃を受けるとエンタープライズ号のエネルギーがその分減り、0になると任務続行不可能となりゲームオーバーになります。
ただミニトレックのエンタープライズ号は優秀なのでエネルギーが減る以外の影響はなく、他のスタートレックゲームのようにエンタープライズの各種装備が壊れて修理完了まで使えなくなることはありません。

味方基地

宇宙に1つだけ味方の基地が存在します。
味方の基地に寄港するとエネルギーと魚雷が完全に補充されます。
エネルギーや光子魚雷がなくなるまでに基地を発見して補給に向かってください。
寄港の方法は荒っぽいですが基地のあるセクターそのものにショートワープします。
他のスタートレックゲームでは軍法会議ものの行為ですが、本ゲームでは激突せずうまく寄港してくれます。
ただ制限として一度寄港するといったんそのエリアを離れないと再度寄港することはできません。

アレンジ

インタフェース面でのアレンジとゲームバランス面でのアレンジを入れています。

インタフェース面
- 英語表記化
  カタカナだと文字がにじんで見にくかったため英語表記に
- エリアやセクターのX座標はA～F, Y座標は0～5だったのを入力の簡便化のためX,Y座標とも1～6に
- メインコマンドを0～3から0,7～9に(座標入力と混同して誤入力してしまわないように)
ゲームバランス面(アレンジバランス版のみ)
- エリアに敵がいる確率をアップ
- 敵からのダメージ量を単純ランダム→敵との距離(の2乗)に応じたランダムに
- 敵との距離(の2乗)が離れている時の光子魚雷の命中率をかなりシビアに
  (お互いがセクターの角と反対側の角にいたりすると絶対命中しません)
- ロングワープの消費エネルギー量をオリジナルの3倍に
- ショートワープでも若干エネルギーを消費するように(セクター内の距離の2乗)

ゲームバランスはオリジナルのままだと簡単過ぎるように思われたので調整を入れました。調整が不要な方はオリジナルバランス版を御利用ください。

プレイ方法

フルスクリーンモード,ズーム100%に設定してください。下のゲーム開始のリンク先に飛ぶとスタートします

[1]ゲーム開始(オリジナルバランス版)(転送量3.7KB/保存時11.4KB)
[2]ゲーム開始(アレンジバランス版)(転送量3.7KB/保存時11.4KB)

ゲームが始まるとロングレンジセンサーとショートレンジセンサーは自動的に作動し随時更新されます。
プレイヤーは

PASS
SHORT WARP
LONG WARP
PHOTON TORPEDO

のいずれかを数字キーで選んでください。
パス以外を選ぶと続けてワープ先または攻撃先の座標の入力になります。
X座標, Y座標の順に数字キーで入力してください。なお、X座標を誤入力した場合は『#』キーで取り消して訂正できます(Y座標は入力と同時にコマンドが実行されるので訂正できません)
攻撃の成否や移動後に敵からの攻撃を受けた場合にメッセージが表示されます。メッセージが表示された時は何かキー(1～9,*,0,#のどれかであればどれでも同じ)を押して次に進んでください。

ヒント(アレンジ版)

アレンジ版は敵と離れていると光子魚雷の命中率がガタ落ちします(光子魚雷の照準精度がプアというわけではなく距離があると敵に到達するまでに回避/迎撃されやすいということにしてください)
離れたところから撃ってMISSしまくるよりはショートワープで敵に接近してから攻撃する方がよいでしょう。
(こうアレンジしないとセクター内に障害物のないミニトレックではショートワープの使い道が基地への寄港のみになるという裏事情も)
ただし敵との距離が短いと敵からのダメージもかなり大きくなるアレンジも併せて入れていますので接近し過ぎは禁物です。
アレンジ版ではロングワープの燃費が悪くなっており長距離をワープするとごっそりエネルギーが減ってしまったりします。
敵の攻撃でエネルギーが少なくなってしまって基地に補給に戻りたいのに基地が遠いとエネルギーが…ということになるかも知れませんが、消費エネルギーは(オリジナル版もアレンジ版も)ワープ距離『の2乗』に比例しますので、目的のエリアまで離れている場合は一気に行くより刻んでいく方が消費エネルギーが少なく済みます。刻む分、日数を消費はしますが…

あとがき？

いつにも増して、こいつも難産でした…
テーブルはレンダリングが超遅かったし、かといってテーブルを使わずに等幅フォント指定で表示する方式にしたら京ぽんは小さい等幅フォントに乏しいようで表示が縮小でにじむし、
なので結局テーブルを遅くても使用、ロングワープ後に画面が一呼吸ブラックアウトするのは表示高速化の苦肉の策です。
他にも元のBASICではあたりまえなキー入力待ち→キーに応じて処理→別のキー入力待ちといった流れをJavaScriptに持ってくるとなにげに中々困る困るｗ結局相当苦肉の策だらけなものになってしまいましたorz
アレンジに関しては色々と異論もあるでしょうが、とりあえず「ミニじゃなくなる方向(先祖返り)」には進まないようにしています。ミニじゃないスタートレックは別の機会に別物として実現すると。…いつの話だ、おい＞自分

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