結局最後はかごめに迫られて、犬夜叉もしぶしぶながら海に入り
たっぷりと夕暮れになるまで海を満喫した一行は
海辺から程近い今夜の宿であるペンションに帰りついた。
かごめの母の友達が経営している
・・・とのことで特別にトップシーズンにもかかわらずすんなり部屋を確保でき
なおかつ格安にて宿泊させてもらえるというVIPさながらの状況に
最初珊瑚と二人っきりの予定を狂わされておもしろくなかった弥勒も
ようやく機嫌を直したようであった。
よく考えりゃこんなおいしい状況はめったにない・・・。
かごめが一緒とのことですんなり泊まりが許可された。
同じ屋根の下で暮らしていても美味しい思いよりは、忍耐の日々のほうが圧倒的に多い。
その上、二人でデートに出かけても門限も早い。
珊瑚の父からはさんざんくぎを刺されている以上
キスから先に持ち込めない拷問のような状態だ。
このまま手をこまねいてるままの俺じゃぁない。
親父さんには悪いが、結婚するまでおあずけなんて
あの珊瑚を前にして到底ムリな話なんだよ・・・・。
ただやはり・・・とういか当然というか。
部屋は男女別で割り振りされていた。
どうやらかごめは、珊瑚の父から俺の監視役を言い付かってきたらしい。
さすが珊瑚の父。ぬかりはない。
まかり間違えば珊瑚の父と弟の琥珀を相手に、全面戦争にももつれこむような危険な誘惑だが。
珊瑚と引き換えならどんな状況になってもおつりがくる。
またこぶしに力をこめる弥勒であった。
ペンションの夕食は海の幸がふんだんに使われており、思いのほか豪華で
大満足なものだった。
おなかも一杯になりそれぞれあてがわれた部屋に一旦入ると
さっそくかごめが珊瑚に擦り寄って言った。
「珊瑚ちゃん!約束のあれ・・・・・いいかな??」
「いいよ、そのためにかごめちゃん来たんだし・・・こっそり出ようよ」
「・・・・・・・・ごめんね、先生とのせっかくのデートじゃましちゃって・・・」
思いっきりすまなそうな顔をするかごめに
「そんなことないって!あたしも先生も楽しんでるから大丈夫!」
珊瑚はにこやかに笑って答える。
珊瑚ちゃん・・・・・・相変わらずなのね
弥勒先生の苦労が見えるようだわ・・・・。
かごめにまで思いっきり同情される弥勒は形無しである。
一方男性陣の部屋では・・・・
弥勒が珊瑚との甘い夜を過ごすべく犬夜叉を丸め込んでいた(笑)
「わかりましたね?お前がかごめ君を誘い出すんですよ?」
「だぁ〜〜〜〜っ?!なんで俺が・・・・」
「あの時見逃してやったのは誰だ?」
「・・・・・・それとこれとは・・・・・」
「いいな・・・・・?」
有無を言わさぬその声音の低さに思わず犬夜叉が黙り込む。
普段は穏やかで飄々として人を食ったような顔をしているが・・・
ひとたび素に戻ると凄みがあり誰も逆らうことなどできない。
それは犬夜叉も十分すぎるほど感じていた。
到底弥勒に逆らえるはずもなく。
かくして弥勒の思惑はこれで一歩前進したのだった。
「犬夜叉たちに見つからなくてよかった〜〜」
「ほんと二人して部屋にこもって何話し込んでたんだろ?さ、早く探そう!」
「うん!そうだね、あ!あそこのお店はどうかな??」
こっそりペンションを抜け出したかごめと珊瑚の二人は
ビーチの繁華街にあるみやげ物の店の前に来ていた。
そして・・・・・・
楽しそうに連れ立って歩く二人のはるか後方には
人目をしのぶように珊瑚を見つめる柄の悪い男が佇んでいた。
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