バカンスは危険がいっぱい:1



ギラギラと熱い太陽が照りつける8月のとある休日。
弥勒と珊瑚らはバカンスの為、一路海を目指していた。



当初の予定では二人っきりのはずだったのだが・・・



「うわ〜〜〜〜っvv潮の香りがする〜〜〜vvv」
「・・・・・・・けっ、めんどくせぇ・・・・・・・」
「もう〜〜〜!どうしてあんたってそうなの?!」
「まぁまぁ、せっかくここまできたんだから二人共喧嘩はよしなよ」





後部シートで喧嘩を始めたかごめと犬夜叉を
助手席に座っている珊瑚が振り向いて仲裁に入る。
こういった光景は今に始まったことではなくて。
このメンバーで行動するときにはよく見られることである。





「・・・・・・・・・はぁぁぁ・・・・・・・・・」
一人ハンドルを握りながら弥勒は大きくため息をついた。



なんでこうなるんだ??
最初は確かに珊瑚だけだったのだが・・・・



蓋を開けてみれば何時の間にやら入院中に仲良くなったかごめと
その彼「犬夜叉」なるおまけまでついてきてしまっていた。
この「犬夜叉」どう見てもまじめなかごめとは正反対で長い髪に
真っ赤なつなぎを着、口は悪いわけんかっぱやいわで、
どうしてこんなやつをかごめが選んだのか最初は頭をひねったものだ。
でも何度か顔を合わすうちに案外根はいいやつであることがわかってきた。



かごめ君の入院中もよく時間外にこっそりと面会にきてたな・・・
ばったりと俺と出くわしたときのバツの悪そうなあいつの顔はおかしかったぜ。



あの時はあいつも俺も愛しい女性(ひと)のそばに少しでもいたくて。
想う気持はお互い同じなんだとなぜだかおかしくて。





・・・・・・男ってやつは惚れた女のことになると無鉄砲になるもんだ・・・・・





ため息をついていたはずの弥勒がいつしか笑い出したのを見とめて
珊瑚が不思議そうにその端正な横顔を覗き込んだ。



「・・・・先生??どうしたの???」
「・・・・・・いえ、なんでもありませんよ。ただ珊瑚の水着姿を想像していただけですvv」
「なっ?!////どんな想像してんのさ〜〜〜知らないっ////]



頬を真っ赤に染めてそっぽを向く珊瑚はまた可愛らしい。
後ろのやつらがいなければこのまま車をとめてシートを押し倒したい
などという不埒な考えをぐっとこらえながらも(笑)
想像と期待を裏切らないであろう珊瑚の水着姿を思い浮かべて
限りなく幸せな弥勒であった。










海の家についた一行は、即座にそれぞれ待ちきれないとばかりに着替えに入った。
男の着替えはものの数分もあれば終わる。
あっという間に着替えを追えた弥勒と犬夜叉が待ちぼうけをくらっていた。



「か〜〜〜〜〜っ!女っていうのはなんでこんなに時間がかかりやがるんだっ!」
相変わらずの暴言をはくのは犬夜叉。



「まったくお前というやつは・・・女性は着替えには時間がかかるのは当然ですよ?」
さも当然、とばかりにたしなめるのは弥勒。



見た目もそうだが中身も正反対なこの二人。
ただいえるのは二人共美形には間違いない、というところであろうか。
その証拠に先ほどから若い娘たちの熱い視線が注がれていた。
さすがにいくら美形でも、犬夜叉のもつ雰囲気に気圧されてこちらに近づけないのだろう。



「・・・・お前といると損をしますね」
「あ!?なんのことだよ?そりゃ」
「・・・・・・・・・・なんでもありません」
弥勒はおおげさに肩をすくめてみせた。





「遅くなってごめん!!待った?犬夜叉!」
「更衣室混んでて・・・・・ごめんね、先生」
ようやくかごめと珊瑚のすまなそうな声が背後で聞こえてふと、振り向くと・・・







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







思わず絶句した。



かごめは白地に小さなピンクの花がちりばめられたワンピースの水着。
珊瑚はトップが真っ赤でアンダーが紺というビキニの水着であった。
二人共着やせするタイプのようで、豊かな膨らみが眩しい日差しにさらされている。
ウエストは引き締まり、すらりと伸びた長い足は健康的であった。
そしてなにより二人共髪を後ろで高く縛っていてそのしろいうなじが目に入る。





これは・・・・・・・・ある意味拷問かもしれねぇ・・・・・
触るなっていうほうがムリだよな・・・・
はっ!!!・・・・・・っと!!その前にっ!!!





弥勒は我にかえると今だかごめに見とれている犬夜叉を尻目に
珊瑚の傍に近づいて囁いた。



「・・・・・・珊瑚」
「なに?」
「お願いですから上に何か・・・・・・・・」
「どうして?泳ぎにきたんでしょ?あたしたち」



確かにそうだ(笑)



「・・・・・・・似合わない・・・・・かな?これ」
少し悲しそうに珊瑚は弥勒の顔を見ると俯いてしまった。





我ながら情けない。珊瑚の水着を誉める余裕がないとは・・・・・・





「・・・・・・そうじゃない。似合いますよ、とても」
にっこりと微笑んでようやくそれだけを言葉に紡いだ。
「ありがと・・・・・・・・先生の為に選んだんだ。よかった・・・・・v」







・・・・・・・・・・・・ますます抱きしめたくなるじゃないか〜〜〜〜っ







海は穏やかであったが弥勒の心中は葛藤の嵐が吹き荒れていた。



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