釣行報告

NO.68 今年も健在、新左近川の手長エビ

5月15日(日)、「まだ少し早いかな…」と思いつつ旧居・江戸川区の新左近川に手長エビを釣りに出掛けた。

相棒のキヨシが用事があると言うことで、急遽、遠ちゃん(そう、あの学校の先生に転身した遠ちゃんである)を誘ったが、二つ返事で誘いに乗ってくれた。どうやら、彼が担当している「アウトドア部」?とやらで近々、新左近川の手長エビ釣行を計画しているとかで下見を兼ねて…の思惑があったようだが。

江戸川区在住の頃は、暇さえあればキヨシと2人で新左近川に出掛けていたが、中野区に引っ越してしまってからは、年に1、2度の釣行になってしまったのが、何より残念である。しかし、キヨシと足繁く通っていた頃でも5月の15日という早い時期に出掛けたことはなかった。最も早い時でも5月の最終週だったと記憶している。それでも土曜日からの好天と気温上昇でソワソワしてしまい出掛ける気になった次第。

 

午前8時半、例によってワゴンタイプの愛車に“所帯道具一式(我々の手長エビ釣りは、釣ったエビを現地で食べて完結する。したがって、コンロ、鍋、食器、油等などが必需品となる)”を乗せてやって来た。

何故か首都高速、湾岸道路ともガラガラで9時過ぎには東西線・葛西駅の前を走る環七にある釣具店(葛西駅から400m位)に到着。この釣具店、都内のそれがほとんどそうであるように10時開店である。しかし、心配要らない。店の前に餌の自販機が置かれており、手長エビの餌である赤虫(250円)も売っている。

何と店横の通りには複数の車が停まり、数台の自転車も停まっていた。そして自販機の前には数人の列が出来、何とそのほとんどが赤虫を買っているではないか。ここで赤虫を買うと言うことは、新左近川で手長エビを釣るに決まっている。つまり、全員がライバルと言う事になる。少々焦る。どうやら時期はちっとも早くはないようだ。

 

しかし、それでも若干不安だったので、まずは手長エビがいるのか否かを確かめるべく、釣具店から最も近い“とんかつ屋前”で竿を出してみた。少々水が少なく、濁りもきつかったが、石裏を丹念に探ると、間もなく手長エビ独特のツンツンというアタリがあり、小型のメスが釣れて来た。小生が2尾目を釣った時、少し離れて竿を出していた遠ちゃんにも1尾釣れた。

「大丈夫、エビはいる」と言う事になり、昨年いい釣りをしたポイントに移動した。しかし、昨年に比べ水位が15〜20cm程低いこともあり、思うようにアタリが来ない。そこで、「スーパーで弁当を買って下流(水は江戸川側から荒川側に向かって流れているので、我々は荒川側を下流と呼んでいる)に行ってみよう」と小生。某巨大スーパーがすぐ近くにあるので、ここで弁当や飲み物、氷などを買うが定番となっているのだ。

大混雑のスーパーの食品売り場で弁当とデザートのサクランボ、それにエビを揚げる油を買い込み、これまで竿を出したことがない“とんかつ屋前”下流300、400mの所まで行ってみた。

 

左岸よりに葦が茂り、あちらこちらに石が点在する好ポイントだったが、定番のポイントでは中々アタリが来ない。ここで「弁当を食おう」と言う事になり、まずは腹ごしらえ。青空の下で食べる弁当とは何故あんなに美味いのだろう。しばし、幸せな気分に浸っていると、「こっちこっち!」と、早々と弁当を食べ終え橋下の暗渠で竿を出していた遠ちゃんから呼ばれた。「ほらほらほら」と遠ちゃんが言いながら、小生の目の前でいい型の手長エビを立て続けに3尾釣った。そこで、反対側の橋下暗渠に仕掛けを入れると、すぐにアタリがあり、良型が釣れて来た。

これを皮切りに2人ともしばし入れ食いになった。この日は快晴のピーカンだったためか、明るい石裏よりも日陰になっているポイントにエビが集まっていたのだろう。

 

1時間少しで2人で40尾を超えた。「もう十分じゃないの」ということで、ここで釣りはジ・エンド。乗馬学校側にある水道でエビを洗い、コンロのおける場所に移動して“エビパーティー”を敢行。

正確に数えると、何と43尾もいるではないか。「ちっと多いかね」などと話している内に油の温度が上がった。5、6尾ずつ油の中に放り込むと、鮮やかなオレンジ色に変色、キッチンペーパーで油を切り、テーブルソルトをパラパラと振り掛ければ出来上がりである。

 

釣っている時から感じていたのだが、時期が早いせいかエビの殻が薄く透明度が高い。6月、7月に釣れるものの中には、殻に苔が生えているようなのまでいるが、そんなエビは1尾も交じらなかった。そのためか、揚げ立てのエビは柔らかく、いつにも増して美味かった。あれよあれよと言っている内に20尾ずつを平らげ、皿の上に3尾が残った。それもパクリで「ちっとも多かなかったね」と言いながら顔を見合わせた。それくらい美味かった。

今シーズン最初の手長エビ、家を出て帰って来るまで6時間足らずの釣行だったが、実に楽しく美味かった。

前のページに戻る