釣行報告

NO.63 利根川の脇水路で“ハゼ丼”満喫

相棒のキヨシの腰の具合が良くない。景気回復が遅れているお陰で、タクシードライバーであるキヨシも丸ちゃんも一向に収入が上向かない。キヨシによれば、「上向かないどころか、毎月のように売り上げ最低記録を更新し続けている」とのこと。

結果として、“出勤日”を増やすしか手がなく、その結果として腰を痛める−といった悪循環。「民主党サン、何とかしてくれ。生涯2度目の選挙投票に出掛けた俺に報いておくれ!」とキヨシは叫んでおりますよ。

 

そんなこんなで、前回出掛けた際に発見した利根川・脇水路のハゼ釣りは、この春に中学教師に転進した遠ちゃんと2人で出掛けた。

遠ちゃんは、とにかくマメな男である。ワンボックスカーの後部には、常にアウトドア用具一式が積んであり、いつでもそのまま“家出”が出来る。

 

今回のテーマは、“ハゼ丼”を食う!である。コバが長万部に移住する前、3人で木更津船溜まり脇で“ハゼ丼”を作って食った事があった。コバも遠ちゃんもその味に大感激したものだ。

今回は、それを2人でやろうと準備して(とは言っても全て遠ちゃんが準備してくれたのだが)出掛けた。

 

前回、帰りの引き潮時に入れ食いになったのを参考に、今回は上げ潮を狙って出掛けた。「“シルバーウイーク”なんだから、早目に出なきゃダメ」と言う遠ちゃんの進言で、予定を2時間繰り上げて、午前8時に中野を出た。

遠ちゃんの言う通り、東関東自動車道は、都心から浦安(言わずと知れたディズニーランド)まで“アリの行進”状態だった。結局、4時間近く掛かって目的地に到着。干潮時間(11時54分)に現場到着という当初の予定通りに事は進んだ。

 

土手下に車を停め、水路を覗いてみると、見事に水がない。川底の小石までハッキリ見えており、ハゼの姿は全く無い。ソコリ(干潮)なのだから当たり前なのだが、ここまで水位が下がるとは思っていなかった。これでは上げ潮が効いて来なければ全く釣りにならない。 「しばらく、利根川への吐き出し付近でやってみよう」と言う事になり、400、500m歩いて竿を出した。

 

2人とも9尺の和竿(先日亡くなった4代目竿治師匠に作って戴いた竿)にオモリ2号の手作りテンビン(丸ちゃん作)のミャク釣りで始めた。

「おっ、来たよ!」。遠ちゃんの元気な声に振り向くと14、15cmはあろうかという良型ハゼが仕掛けの先で躍っていた。続いて遠ちゃんが同型をもう1尾釣り、2人共色めき立ったが、バッタリとアタリは止まり、先日、キヨシ達と来た時と同じような感じ。2、3尾釣れると、後はバッタリで数が伸びないのだ。

 

この日もまさに同じで、30分程の間に2人で10尾程釣ったが、同じような釣れ方だった。「少し潮が上がって来たようだから、水路に戻ろうか」−と言う事になり、先日、帰りがけに入れ食いになった場所に行ってみたが、まだ川底が見える状況で、パッとしない。そこで、遠ちゃんは再び、吐き出し付近に戻り、小生は、水路の途中の深場を探ったりした。

結局、その後も水路の吐き出しの間を行ったり来たりしながら、午後4時前までに2人で20数尾のハゼをビクに入れた(10cm前後の小型は放流)。  期待した水路での“入れ食い”状態はなく、下げ潮時がいいのかもしれない−と結論付けた。

 

しかし、釣れたハゼは、2人分の“ハゼ丼”には十分な量なので、とにかく“ハゼ丼”作りの準備を始めた。

遠ちゃんの手でアッという間にテーブルや椅子などが組み立てられ、小生がハゼを背開きにしている間にパックごはんが暖められ、油が火に掛けられた。

 

小生考案の“ハゼ丼”は、極めて簡単である。揚げたハゼ天を麺汁の原液に通し、ごはんの上に乗せる。ただそれだけである。“ヤマメ丼”も“イワナ丼”も全く同じである。 贅沢にも1人10数尾ずつのハゼ天が乗った“ハゼ丼”が完成。2人で一気にかっ込んだ。「うっめ〜!」。2人で同時に吼えた。本当に美味いのである。

2人とも中野を出発する時にコンビニのおにぎりを食べた切りで腹ペコだったのも事実だが、それを差っ引いても断然の美味さなのだ。

我々の仲間では“ヤマメ丼”“イワナ丼”“ハゼ丼”は、定番なのだが、一番は断然“ハゼ丼”であることに異論を唱える者はいない。ハゼは本当に美味い魚なのである。

結局、この日は期待した程の釣りは出来なかったが、2人とも“ハゼ丼”を食えただけで大満足。大渋滞の中を引き揚げながら「もう1度来たいね」と、遠ちゃんが呟いた。

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