釣行報告

NO.60 久し振りにタナゴの大群

ここ2、3年、まともな釣りが出来ていなかった小生のタナゴ釣りだが、今回、数年振りでオカメ(タイリクバラタナゴ)の大群にお目にかかることが出来た。

その場所は、千葉県の手賀沼水系だ。仕事でお付き合いがある愛すべき釣り人に教えて頂いた。

いわゆる“タナゴ師”と呼ばれる方々は、厳つい表情で「寄らば切るぞ!」といった雰囲気の人が多い。道具や仕掛けなどにも拘りを持ち出し、近付き難い存在である。小生のように単に「タナゴ釣りが好き」なだけで、彼らのような拘りも腕も持ち合わせていない者には、付き合いにくい人種(失礼!)が多い。そんな中にあり、この御仁は、「竿なんか何でもいいんです。渓流竿や小物竿の穂先と穂持ちを抜けば、タナゴ釣りに使えます」などと平然と言って下さる。しかし、ご自身の道具類と言えば、注文品の合切箱に水準を遥かに上回る物が詰っている。

 

小生、こういう人が大好きである。拘りは拘りでしっかり持っていて、それを人には押し付けない。「釣りという遊びは、自分が楽しいと思えれば、それでいい」というスタンスが明確なのだ。

その御仁が、ご自身の情報網を駆使して探し出してくれた釣り場である。小欄をご覧頂いている奇特な方々と言えども具体的な場所をお教えするのは憚られる。千葉県の手賀沼水系というだけで勘弁して頂きたい。

 

さて、その場所には2度出掛けた。1度目は、先週の日曜日(1月10日)。その御仁をナビゲーターにしたテレビ番組を制作するためである。つまり仕事である。したがって場所の確保のために30分程竿を出した(25尾のオカメが釣れた)だけで、ストレスだけが溜まった。

釣り場に着き、教えられた水路を覗いてビックリ。あちらこちらにオカメが数百尾単位で群れているではないか。ここ2、3年、お目にかからなかった光景である。

かの御仁は、こちらの注文に嫌な顔ひとつせず、あちらこちらと場所を換え、トータル3時間足らずの釣りで2束(200尾)前後のオカメを釣り上げた。

同じく仕事で同行していた友人の遠ちゃんから、「明日来よう!絶対に来よう!迎えにいくから」と、熱心に誘われた。幸い、翌日は「成人の日」で休日。

午前11時の待ち合わせで東京を出た。常磐道の柏ICまでは、渋滞さえなければ我が家がある中野区から30分程で着いてしまう。3連休の最終日のためか少々車は混んでいたが、途中、コンビニに寄ったりしても正午過ぎには、釣り場まで着いてしまった。

「何!あの人達は…」と、遠ちゃん。前日は、2、3人しか竿を出していなかった水路に家族連れなども含め、20人以上の人が犇いていた。

駐車場に車を停め、比較的人が少ない側に陣取って竿を出した。グルテンの練り餌を付けて沈めると、間もなく糸ウキの回りに3〜4cm級のオカメが、群がって来た。しかし、前日に比べアタリは遠く、なかなかハリ掛かりしない。それでもポツリポツリと釣れ始め、遠ちゃん持参のエアポンプ付きバケツの“住人”は、1尾、また1尾と増えていった。

 

帰りの交通渋滞を考え、3時ジャストに竿を仕舞ったが、2人で50尾程のオカメを釣り上げた。

都心から1時間足らずで来られる所にこれだけのタナゴが居る場所がある。それが分かっただけでも大きな収穫を得た釣行だった。

 

 

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