釣行報告

NO.55 満を持して出掛けたタナゴ釣りだったが…

昨年末から、釣り仲間との休日が合わず、シーズン盛期を迎えているタナゴ釣りに中々出掛けられなかった。やっとのことで折り合って出掛けることが出来た。まさに満を持しての釣行だったが…。

その間、タナゴの話が聞こえてこないのが気になっていた。耳寄りな話と言えば、昨年末に友人が北浦東岸?で400尾のマタナ(タナゴ)を釣ったらしい− というものだけ。思えば、昨年も一昨年も満足な釣果を得られていない。それ以前は、霞ヶ浦や北浦周辺の舟溜まりやホソで、50尾や100尾のタナゴは簡単に釣れたのだが…。

「暖かくなってから出掛けよう」と、のんびりと出発した。雲ひとつない快晴だったが、北西の冷たい風が吹き、東関東自動車道・潮来IC手前の常陸利根川橋の下では、海を思わせる白波が立っていた。

先ずは、友人に聞いた常陸利根川下流左岸側の休耕田内の水路を探した。確かに水路はあった。しかし、水位が大幅に下がっており、どこも底が丸見え状態だった。ただ、「水さえあれば…」といった感じがあり、タナゴは兎も角、秋の小ブナが面白そうな釣り場だった。「秋になったら一度来てみよう」と、話しながら北浦西岸に向かった。

北浦西岸には、いくつもの舟溜まりがあり、土手下には水路が走っている。いずれもタナゴの好釣り場である。ところが、その好釣り場に土曜日だと言うのに、一人もタナゴ釣り師がいない。

嫌な予感は的中した。何ヶ所かで仕掛けを入れてみたが、タナゴはおろかボソのアタリすらない。「3年前までは、この辺の舟溜まりは、何処でもタナゴが釣れたんだが、一昨年からパッタリ釣れなくなっちゃったね」。何処からともなく現れた地元の小父さんが、舟溜まりで竿を出していた小生の側に座って呟いた。

結局、その後も何ヶ所かで仕掛けを入れてみたが、結果は変わらなかった。「今シーズンもタナゴはダメと言うのが結論!帰ろう」という小生に、「まだ明るいんだから、向こう側(北浦東岸)も1ヶ所やってみようよ」。同行の友人は諦めない。

北浦大橋を渡り、土手下の水路を見て回った。西岸よりも水色がいい−と感じた。間もなく暗くなる。モタモタしてはいられない。

「アッ、バレちゃった!」。少し離れて竿を出していた友人が、大きな声を上げた。良型のオカメ(タイリクバラタナゴ)が水面でバレたと悔しそうに話す。

とにかく、それまでアタリすらなかったのだから、その場所を2人で重点的に狙うことにした。すぐにアタリが来たが、明らかにタナゴのアタリではない。釣れて来たのは、5cm級のタモロコ。「これじゃない、これじゃない。オカメ来い!」。次々にボソを釣り上げながら、友人は呪文のように呟く。

しかし、友人の祈りは通じず、タモロコの猛攻が続いた。結局、5時を過ぎ、薄暗くなって来たので後ろ髪を引かれる思いで納竿した。

「せめてあと1時間早く、こちら側に来ていればね…」と友人。「今度は、こっちに直行しよう」と話しながら、帰路に就いた。

しかし、タナゴは一体どうしてしまったのだろうか…。実は、ここ2、3年、同地区のマブナもあまりパッとしない。何かイヤな事が起こっていなければ良いのだが…

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