釣行報告

NO.44 渓流釣り、今年も秋田・役内川

「こんなに雪が少なかったのは、記憶にないわ。1度も雪下ろしをしなかったのは、初めてだもの。地球温暖化って本当みたいね」と、秋田・役内川水系の定宿『新五郎湯』の大女将。

今年もまた、役内川というより『新五郎湯』に出掛けた。施設自体はお世辞にもゴージャスとは言えないが、源泉カケ流しの温泉と、大女将をはじめ、宿の人間の人柄と、豪華ではないが実に美味い夕食(それでも1泊2食付で5500円!)に惹かれて年中行事のように、この時期になると出掛けている。

記録的な“雪不足”という割には、結果として水位はまずまずだった。出発前日、『新五郎湯』に電話を入れると、若女将が出て、“一昨日大雨が降り、昨日一旦止んだが、今又降り出して、かなり沢山降っている”とのこと。

「着いてみたら濁流じゃないの」と相棒。今回のメンバーは、相棒とその友人の丸チャン、それに昨年も参加した小生の友人で110kg(昨年、当人の申告で120kgから訂正したが、どうやら又120kgに戻った感じがする!?)の巨漢・コバ。それに昨年は参加出来なかったメンバーの長老・O氏。

今回は、相棒と丸チャンは折り畳み自転車を持参、車はO氏が1台、小生とコバで1台と、かなりの“機動力”で臨んだ。

午後9時過ぎに東京を出発、のんびり走ったが、午前4時過ぎには到着した。初日の天気予報は「雨」。若女将の返事と相俟って相棒の心配は尤もだった。しかし、恐る恐る役内川の水面を覗き込むと、水位は上がっているものの濁りも大したことはなく、十分釣りになる状況。

昨年、15cmの小イワナ1尾に終わったコバが「何としても1尾釣りたい!」と喚くので、昨年同様、最も期待出来る観測小屋付近に入った。小生は上流に、O氏は下流に入り、コバを最も好ポイントがある真ん中に残した。相棒と丸チャンは、チャリンコを駆って下流部に入って、今回の釣りがスタートした。

釣り始めて1時間、18cmのヤマメ2尾を釣ってコバの所に行くと、「小っちゃなハヤ1尾」とうな垂れている。「何でここで釣れねーんだ!」と小生。コバが見捨てたポイントに仕掛けを入れると、目印が小さく引き込まれ20cm級のヤマメが釣れて来た。しかし、それきりアタリがないので、下流まで釣り下がったO氏を残し、仕掛けが流しやすい下流に移動することにした。

 

車に戻り準備していると、相棒と丸チャンがチャリンコに乗って現れた。「毛バリには出なかったけど、餌釣りにしたら釣れた」と、相棒が20〜22cmのヤマメ3尾を取り出した。大役内川に行くという二人と別れ、我々は下流部に向かった。

下流部は平坦な流れにはなるが、所々に大岩や落差があり、点々とポイントがある。確実に2、3尾は釣れそうなポイントにコバを入れ、小生は下流に向かった。

そして1時間後、17cmと18cmのヤマメ2尾を釣って、車に引き返すと、すでにコバが車の傍に佇んでおり、「アタリもない!」とほざく。

雨がしとしとと降り続き、気温も下がって来た。天気が回復すれば、昨年同様に野外でヤマメ丼(小麦粉を塗して揚げたヤマメを濃い目の麺汁に潜らせ丼飯に乗せる)パーティーをするつもりだったが、とてもそんな陽気ではない。そこで、初日は、『新五郎湯』の厨房を借りて、小生とO氏でヤマメの天ぷらを揚げた。初日のお昼までの釣果は小生がヤマメ5尾、相棒がヤマメ4尾にイワナ1尾、丸チャンがヤマメ1尾、イワナ1尾にO氏がヤマメ5尾。5人分のヤマメ丼を作っても“姿揚げ”1尾ずつを付けることが出来るに十分な量だった。

 

野外で食べられなかったのは残念だったが、その美味さはやはり絶品。全員、大満足でお昼寝タイム。結局、小生とコバはそのまま撃沈、夕方まで寝てしまった。相棒と丸チャン、そしてO氏は夕マヅメの釣りを堪能してきた。

2日目、チャリンコ部隊は上流域に入り、我々3人は「今度こそ!」というコバに何とか1尾を釣らせるべく、再び観測小屋付近に入った。しかし、結果は小生がヤマメ1尾、O氏が2尾、コバは…。

 

この日は、前日とは打って変わった快晴。そこで、この日の昼食は、地元の名品・稲庭うどんを買い込んで、野外うどんパーティーを開いた。国道沿いのスーパーでトマトや焼き鳥も買い込み、1kgの稲庭うどんを平らげてしまった。

「1度宿に帰ってひと風呂浴びてから午後のことを考えよう」という相棒の提案に全員が賛成。しかし、小生とコバは、前日同様…。

 

最終日、O氏は所要で早朝に引き揚げ、残った4人で下流に入った。7月以降はアユ釣り場になる辺りまで下り、相棒と丸チャン、小生とコバの組み合わせで上下流に分かれた。 コバに瀬の釣り方を教え、好ポイントと思われる所に残し、小生は少し上流に入った。トロ瀬を中心に仕掛けを流すと、すぐにアタリがあり、バタバタと7尾のヤマメが釣れたが、いずれも16〜17cmの小型。ハリを飲まれた2尾だけをキープして残りはリリースした。しかし、下流に入った相棒と丸チャンは、「ポイントがほとんどない」と引き揚げて来たので、今度は『新五郎湯』よりもずっと上流に向かった。

 

 

大きな堰堤のあるポイントで小生と相棒だけが、河原に降りて竿を出した。相棒がヤマメ2尾バラし、小生が1尾バラし、2尾ハリ掛かりさせたが、1尾は16cm級の小型だったのでリリース、結局、1尾を追加して今回の釣行はジ・エンド。

「俺は、マブナ釣りとハゼ釣りがいい」と叫ぶコバ。同感である。コバに渓流釣りを教えようとした小生が間違っていたようだ。

果たして、来年のメンバーはどうなるやら…。

 

今回の釣り場

 

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