釣行報告

NO.40 久し振りの沖釣り

「狙いはマダイ!」。そう意気込んで久し振りに沖釣りに出掛けた。

仕事仲間11人での仕立て船。段取り上、決まった釣行日は3月27日(火)。この日の潮回りは、「長潮」前の「小潮」で特定の満潮時間、干潮時間とも1度ずつという潮がほとんど流れない最悪の潮回りである。大人数で出掛けるとなると、なかなかベスト条件の日には出掛けられないものだが、それにしても…。

 

つまり、最初から苦戦は予想出来た釣行だった。おまけに、「俺たちは、セオリー通りコマセ釣り」、「折角、マダイに行くのだから、最近流行のラバージグがやりたい!」、「俺、80号のビシを使える竿なんか持ってないから、ライトタックル40号でやるんだもんね〜」。何と1隻の船で3種類の釣り方をしようという我侭集団なのだからどうしょうもない。その話を聞いた途端、「こりゃ〜ダメだ」と思ったが、仲間同士で出掛けるのは楽しいもの。そんなことに目くじら立てる程子供じゃな〜い。

何はともあれ、午前6時30分、神奈川県・久里浜港に全員無事集合。この日の船長がよく出来た人でテンデンバラバラの注文に「はいよ、はいよ」と応えてくれて、午前7時に予定通り出船出来た。

 

天気予報が見事に的中。太陽こそ出ていないものの、雨の心配のない曇天で海上は無風状態。船に自信のない何人かもホッと胸を撫で下ろす釣り日和に恵まれた。船長は、航程30分程の剱崎沖に船を走らせた。既に10隻近い船が集まっていたが、どの船からも活気が感じられない。予想通り、食いが悪いようだ。

船長の合図とともにそれぞれ思い思いの釣り方で始めた。水深は50m前後と手頃。小生は、定番通りのコマセ釣りで竿を出したが、案の定、潮がほとんど流れていない。満潮時間から既に3時間以上経っており、下げ潮が効き出しているはずだが、船上で3mしか離れていない40号のライトタックルの我侭者と80号の小生のビシがオマツリすることもないのだから、底潮も流れていないことは確かだ。当然ながら、マダイはおろか何も食わない。ハリに付けた沖アミは、万度そのまま上がってくる。

 

「その内、潮も少しは効いてくるだろうから、それまで沈船回りで大ダイを狙ってみよう。ラバージグなら食うかも知れないから」。見兼ねた船長からの堤案に全員が大喜び。 沈船回りのポイントは、水深90mラインと手巻き主義の小生には少々辛い深さ。しかし、竿を出して間もなく、船中第一号のアタリが小生の竿に来た。

コツコツという前触れに続き、ククッと竿先が引き込まれたところで合わせたが、マダイの手応えには程遠い感触。しかし、この日最初の獲物である。全員の視線を感じながら慎重にリールを巻いた。海面に姿を見せたのは、30cm級の良型アジ。「な〜んだ」。声にこそ出していなかったが、全員が間違いなくそう言っていた。

 

これを皮切りにあちらこちらでアジが上がり出し、サバやウルメイワシも交じり出した。間もなく、小生の隣で竿を出していた沖釣りは滅多にやらない“バサー”君の竿先に異変。コツコツという前触れは同じだったが、ククッと最初の引き込みの後、一気に竿先が引き込まれたのだ。「マダイだ!」と小生。貸し道具の剛竿が大きく曲がり、大型を予想させたが、次の瞬間、「アッ、バレた」とバサー君の情けない声。巻き上げた仕掛けのハリスがプッツリと切れていた。ドラッグ調整もヘチマもない一瞬の出来事で終わってしまった。

 

 

結局、この日、船中でマダイらしきアタリはこの1回だけ。午後になって大ドモに陣取った2人が1本ずつイナダを釣り上げたが、残る9人はアジ、サバ、ウルメイワシばかり。それでも、最後までラバージグを通した1人以外は、「おかずには十分!」な量を釣り上げた。

小生も3種類を持ち帰ったが、ウルメイワシの刺し身が思いの他美味く、カミさん、豚児とも「やっぱり釣りたての魚は違う!」と感激していた。まずはめでたしめでたしの釣行だった。

 

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