釣行報告

NO.25 茨城県・外浪逆浦西岸舟溜まりのタナゴ

10月、経済的にも精神的にも大打撃を受けた相棒の“傷”がようやく癒えて?1ヶ月振りに釣りに出掛けた。まずはホソの小ブナである。久し振りの釣りである。取り敢えずいつも楽しませてもらっている秘密の場所に出掛けた。秋口に出掛けた時には、水位が下がりパッとしなかったが、今回は仕掛けを入れると同時にシモリウキが消し込んだ。しかし、釣れて来たのは20cm程の体に傷ひとつないきれいな魚体をしたコイだった。続いては10cm級のマブナが釣れ、相棒にも同型のマブナ。思わず顔を見合わせてニッコリ。

実はこの場所に来たのには理由があった。秋口に来た時、タナゴの群れと思われる魚群を見かけたのだ。11月に入り、タナゴの季節到来である。小ブナ釣りも大いに魅力的だが、これからの時期にはやはりタナゴである。相棒が“コマセ”を作り、水面から20cm程のところに吊り下げ、2回、3回と振った。これでタナゴがいれば寄ってくるはずだ。

 

 

ところが、寄って来たのはタナゴではなく、クチボソ(タモロコ、モツゴなど)ばかり。しばらくはマブナがボツボツ釣れていたのだが、コマセが効いてクチボソのアタリばかりになってしまった。「あの群れは、絶対にタナゴだったけどな…」と相棒。小生も一緒に目撃したが、間違いなくタナゴに見えた。しばらく粘ってみたが、結局、タナゴは1尾も釣れて来ない。仕方なく、場所替えをした。

 

「もう少し小ブナを釣りたいよな〜」と見解が一致、まずは秋にいい思いをした金江津水路に向かった。ところが、着いてガッカリ。水位が大幅に下がり、水深は20cm足らず。川底まできれいに見えてしまう始末でシラサギとアオサギが水路の中を歩いていた。当然、秋口に入れ食いを堪能した水路に流れ込むホソにも水はなかった。そこで「困った時の黒須新堀−」と、またまた見解一致で黒須新堀へ。ところが、こちらも大幅な水位減。何人かの釣り人が竿を出していたが、マブナを持っていたのを確認出来たのは1人だけだった。30分程竿を出してみたが、ボソのアタリしかなく、早々切り上げた。

「いい天気だし、足を伸ばしてタナゴを釣ろう」と相棒。この日は、幸いにも「終日曇り空」という天気予報が外れ、薄雲はあったものの時折太陽が顔を出す見事な秋晴れ。暑くなく寒くなく、そして風もなく、これ以上望むべくもない最高の天気に恵まれた。

 

昨シーズン、「オカメが入れ食いだった」と友人の某釣り雑誌出版社社長が教えてくれた外浪逆浦西岸の舟溜まりに直行した。幸いと言うか、やや不安と言うか、目的地に着いたが誰も竿を出していない。ちなみにこの日は休日である。「まだ早いのかな…」と相棒。とにかくやってみようと再びコマセを作って水面下30cmに吊り下げた。黄身練りを作り、1mのタナゴ竿(勿論、和竿)を出した。

 

 

何度かコマセを振って舟溜まりの角を二人で狙っていると、シモリウキを押さえ込むようなアタリ。すかさず合わせたが空振り。相棒も空振りで、「ハリを替えよう」と言うことになった。タナゴバリは、ハリス付きで市販されており、マタナゴならばこのハリで十分釣れる。しかし、よりサイズが小さいオカメ(タイリクバラタナゴ)だと、ハリ先を研いだハリでなければなかなかハリ掛かりしない。昨シーズンの情報をくれた友人が、我々のために砥いでくれたハリがある。

この社長、小生と1つ違いの団塊の世代なのだが、とにかく元気、休みに家にいたことなどなく、必ず何処かへ釣りに出掛けている。そして実に面倒見がいい。タナゴ釣りでは、小生など比べ物にならないキャリアを持っており、使うハリは全て自分でハリ先を砥ぎ出す。小生などには出来ない芸当である。3年程前、試しにねだってみたところ、二つ返事で砥いでくれた。以来、相棒と二人でそのハリを大事に使っている。

 

手砥ぎのハリの威力は絶大だった。ハリを替えた途端、40mmから42、43mmのオカメが立て続けに釣れてきた。しかし、それでも空振りが多い。どうやらさらに小さなサイズのようだ。「やったぜ」。しばらくして別の舟溜まりに移動した直後、相棒が嬉しそうな声を上げた。かざした仕掛けのハリ先にそれまで釣ったタナゴとは明らかに違うサイズの小型が躍っていた。早速計ってみると34mm。このサイズでは、市販のハリではまずハリ掛かりしてこない。

 

その後も二人とも空振りが目立ち、30mm以下のサイズがかなりいるようだ。「来月になればいい釣りが出来そう」。二人とも同じ感想を持って納竿した。

結局、この日釣り上げた30尾程のタナゴの内、マタナゴは1尾だけで残りは全てオカメだった。一昨年、鰐川東岸の舟溜まりで釣ったタナゴも去年、ホソで釣ったタナゴも大半がマタナゴだったのが不思議だが、この冬はオカメの入れ食いを堪能出来るかも知れない。今から楽しみだ。

 

前のページに戻る