釣行報告

NO.17 栃木県・粕尾川のヤマメ釣り

相棒のタクシードライバーが、個人免許を取得して2ヵ月が経ち、やっとやっと渓流釣りに出掛けた。しかし、お互い“深夜勤務”の身の上、「取り合えず近場に行こう」と言うことになり、午前5時出発の栃木行きとなった。

東北自動車道を鹿沼ICで降り、目指すは思川の上流・粕尾川。「一日早かったね。明日が放流だよ」。入漁券を買いに立ち寄った『中島商店』のオヤジさんが気の毒そうに呟いた。出掛けたのは金曜日、成る程、土曜日放流というわけか。ここ粕尾川では、解禁後(今年は3月19日)にも定期的に成魚放流をしており、前回の放流は4月2日だったとのこと。約2週間経っている。

 

粕尾川沿いに何種類かの桜が植えられており、中流域のソメイヨシノはほぼ満開だったが、少し上流に昇って行くと八分咲き、五分咲きと標高が高くなるに連れて見事に開花の程度が違って面白い。

三分咲きの辺りまで流れの中を伺いながら昇ったが、魚は見えない。しかし、天気は快晴、気温も高く実に気持ちいい。周りの山々では、スギ花粉の黄色い霧があちこちに立ち込めていた。

何度か川に降り、交互に竿を出してみたが、案の定「コツリ」とも反応はない。「こりゃダメだね。思い切って下流に行ってみようか」という相棒の提案で、満開地域まで降りた。淵への流れ込みなどを中心に目を凝らして見て回ると、ウグイに交じって結構ヤマメの姿が見えた。その内の1ヵ所で竿を出した。

 

完全なド・ピーカンの天気、そこで「川虫を獲ろう」と浅瀬で石をひっくり返すと何匹かのオニチョロと黒川虫が獲れた。相棒は淵の下流へ、小生は流れ込みに入った。オニチョロを餌に何度か仕掛けを流すと、コツンとヤマメ独特の鋭いアタリ。今シーズン最初のヤマメのアタリだ。5.4mの竿(前日買ったばかりのオニュー)を小さくあおって合せると、小気味良い手応えで18cm程のヤマメが水面に躍った。美しい魚体をした稚魚放流と思われるヤマメだった。

 

その後、同じポイントで20cm級を1尾(これも稚魚放流魚?)追加したが、その後はパッタリとアタリが止まってしまった。結局、2人でこの2尾だけという貧果に終わってしまったが、久々の渓流、ヤマメの顔も拝め、実に楽しい釣りだった。

川縁に道が出来ている所があちらこちらにあり、放流直後や休日には、多くの釣り人が訪れる川だが、水質もよく川相もいい。朝まずめ、夕まずめなどを中心に狙えばそこそこ楽しめそうな印象を受けた。

交通渋滞さえなければ、都心から2時間足らずで行ける釣り場。周辺には大芦川、永野川なども流れており、ブラリと出掛けるにはいい所である。

 

釣り場付近の地図

 

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