釣行報告

NO.11 千葉県・側高水路のマブナ釣り

昨年、友人と2人で竿治師匠に頼んでおいた「欲張り竿」が完成してきた。基本的はマブナ竿なのだが、小生のは全長9尺、友人のは10尺、ただし、2本とも3種類の長さに使い分けられることが出来ると言うもの。1.2m、1.8mそして2.7m(友人のものはそれより各10cm程長くなる)というわけだ。それぞれの長さに応じて、手元に専用の握りが付いており、それらも含めて全て2本で収納できるように作られている。江戸和竿師の技術と工夫の賜物である。マブナは勿論、ヤマベ、ハゼ、タナゴ、そして手長エビなどを釣る竿である。友人共々一生の宝にするつもりである。

 

さて、竿が出来上がれば使いたくなるのが人情。本来は漆が完全に乾くのをまってから使うのがベストだが、とても我慢が出来ない。そこで、先日、友人と2人でマブナ釣りに出掛けた。三寒四温という言葉がピッタリな陽気が続いており、少々不安があったが、竿を使いたいのが先に立った。 最初に行ったのは、東関東自動車道が利根川を渡る付近の千葉県側、利根川と平行して流れる“側高”水路。幅10m足らず、田園地帯の真中を流れる雰囲気のいい川(水路)である。空はどんよりと曇り、今にも降り出しそうな感じだったが、気温は高く寒くはない。水量もまずまずで通水されており、条件は悪くはなさそう。早速、「竿治」の名竿に仕掛けを結ぶ。しっとりした漆の感触が堪らない。「この時期だから、大型がくるかもしれないから一番長いパターンで使おう」と話しながら、竿を出した。

 

しかし、2人で並んでつり始めたが、ジャミ(小魚)のアタリもない。「おかしいね。魚が入っていないのかな」。そんな話をしていると、小生のウキに微かなアタリ。すかさず竿を立てると、グーンという感じの引き込み。大型のコイ独特の引きだ。カーボンロッドなら、強引に竿を立てるところだが、出来たてホヤホヤの名竿をコイに折られたのでは堪らない。腰が引けたところでプッツリとハリスが切れてくれた。その後、何ヶ所がポイントを換えてみたが、どこでも辺りは遠く、「まだ魚が入っていない」という結論で、利根川を渡って釣り場を換えた。

 

 

今度は、常陸利根川の右岸側土手下を流れるホソを狙った、幅2m足らずの農業用水路だが、通水されてさえいれば魚影の濃い所である。これまでにも何度が“いい思い”している。釣り場に着くと、通水されており、水色、水量とも文句なし。川幅は狭いが、大物に備えてやはり最長パターンで竿を継いだ。すると、小生がまだ準備を終えない内に、先に竿を出した友人が22、23cm級の良型マブナを釣り上げた。乗っ込み期独特の白っぽい魚体の魚である。顔を見合わせ思わずニッコリだ。ところが、入れ食いを期待したが、その後は全くアタリが来ない。何度もポイントを換えてみたが、結果は同じ。「なんだよ、たまたま1尾だけ居たのかな」。その後、友人が12、13cm級を1尾追加したものの、結局それっきり。

 

間もなく、雨も降り出し、踏んだり蹴ったり。その後、何ヵ所か釣り場を換えてみたが、どこもアタリが遠く、名竿の竿下ろしは不調に終わった。今年のマブナは、動き出した遅いのかも知れない。陽気が安定してくれば、いい釣りもできるようになるはず。もう一度出掛けてみるつもりだ。

土手下の菜の花畑

 

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