釣行報告

NO.10 金江津水路のマブナ釣り

 

腰痛のため入院・手術と大オーバーホールを行っていたタクシードライバーの友人が、やっと復帰してきた。

先日のこと、「今シーズン最後のタナゴ釣りに行こうか」との誘い。現在、訳あって午前3時までの勤務を行っているだけに早朝の釣行は無理だが、「8時でいいよ」と言うので、2時間ちょっとの睡眠で出掛けた。2月23日のことである。(東海地方に春一番、東北・北海道で暴風雪になったあの日である)。

 

「昨日も今日もいい天気だね」。出掛けたときには、快晴で無風状態。ポカポカ陽気で防寒着の必要も全くない暖かさ。ルンルン気分で釣り場に到着。ところが、車を下り、支度をしていると、突然南風が吹き出した。「えっ、何なのこの風は…」。思わず顔を見合わせてしまった。それでもこの時点では、まだ大した風ではなかった。餌の黄身練りを作ってさっそく釣り始めた。釣り場は、昨年初夏にマブナ釣りに出掛けた利根川南岸の名もない水路(本当は“名”はあるが、あえて秘す)。昨夏、水面に群れを成すオカメ(タイリクバラタナゴ)を2人で目撃したのだ。

しかし、2人であちらこちらを探ってみたが、タナゴらしきアタリが1、2回あったもののハリ掛かりしなかった。「時期がずれたかな。来年又来よう」。風も強くなって来たので1時間程で諦め、「マブナに行こう」ということになった。「あの魚影は間違いなくオカメだよ。来年、確かめよう。絶対、オカメだったよ」そんなことを話しながら利根川を越えて金江津水路に向かった。

 

金江津水路は、利根川と平行して流れる直線的な農業用水路だが、利根川と水門を通じて繋がっており、マブナの魚影の濃い所。ところが、国道408号線が横切る地点に到着すると、水位が50cm以上下がっており、上流側は底が見える状態で全くダメ。水色からして通水が止まっている感じなので、上流域を諦め利根川との合流付近まで移動した。こちらも水位は下がっていたものの水色もよく、十分釣りになる感じ。小型バスで10数人の釣り会が来ており、あちらこちらで竿を出していた。しかし、この頃になると、風は益々強くなり、風陰でなければ釣りにならなくなってしまった。何度かポイントを換えて狙ったが、アタリはない。

 

「ここでダメなら帰ろう」と入った最後のポイント。農道の橋が横断する下流で2人で並んで竿を出した。赤虫をタップリ付けて辺地ギリギリに仕掛けを入れた。すると、しばらくしてシモリウキがスーと動いた。この日初めてのアタリに慌てて合わせると、グンと強烈な手応え。慎重に竿を立ててると、25cm近い良型のマブナ。足場が高かったので、竿が心配になったが、そのまま抜き上げると、思いの他たやすく上がってしまった。体長24cm、巣離れというよりも乗っ込み期を思わせる白っぽい魚体のマブナだった。

 

その後ますます風が強くなり、結局、この1尾だけで納竿したが、久し振りに田園地帯の空気を吸い込み、気分は上々。「今年は、乗っ込みも早そうだね。3月になったら又来よう」と話しながら帰路に就いた。

水門が開き、通水されれば確実に釣れる−そんな印象を強く受けた。今度は大釣りのレポをお届けしよう。

 

【ガイド】

(交通)  JR成田線の滑川駅が一番近いが、バスの便が悪く、マイカー向き。マイカーは、東関東自動車道・成田ICを下り、国道408号線を江戸崎方面へ。利根川に架かる長豊橋を渡り、約500m。     ※近くに釣具店はないので餌は持参のこと。

 

茨城県・金江津水路の地図

 

前のページに戻る