釣行報告

NO.06 千葉県東金市・雄蛇が池のブルーギル釣り

ブルーギルの季節がやって来た。ブラックバスと同じサンフィッシュ科、夏が大好きな魚だ。今上天皇が、皇太子殿下時代にご訪米の折、アメリカ・シカゴ水族館から贈られ、静岡県・一碧湖に放流された魚である。その後、全国の湖沼や河川に広がり、現在では、ブラックバスなど比較にならない程の魚影の濃さを誇っている。その経緯については、別の機会に話そうと思うが、今回は、そのブルーギル釣行記をお届けしよう。

 

出掛けたのは、千葉県東金市にある雄蛇が池(おじゃがいけ=おんじゃがいけとも言う)。その昔は、ヘラブナとルアーで狙う雷魚(カムルチー)の釣り場として知られた池で300年近い歴史をもつ灌漑用水池である。その後ブラックバスの釣り場として賑わい、現在でも休日になれば多くのバサーが訪れる。しかし、この池で最も安定した釣果が期待できる釣りものはなんと言ってもブルーギルである。

 

日曜日の正午過ぎ、友人と二人で比較的釣りやすい西側のワンドに入った。東側のワンドは護岸がスロープになっていて、陸っぱりでは釣りにくいが、こちらは平らな護岸なので釣りやすい。東側ワンド近くにあるボート店駐車場には、何台もの車が停まっており、30〜40人のバサーが、ボートと陸からブラックバスを狙っていた。しかし、西側ワンドは、岸の近くまで蓮が生い茂っており、全くと言ってよいほどキャストする場所が無く、バサーの姿は皆無。さっそく2.7mの竿にウキ釣り仕掛け(道糸0.8号、ハリス0.8号、ヤマメバリ8号)を結び、キジ(ミミズ)を餌に釣り始めた。

蓮と水草のためか水は非常にきれいで水中を泳ぎまわるブルーギルの姿がよく見える。ウキ下を40cm程に取り、仕掛けを沈めると、すぐにウキが消しこみ、12、13cmのブルーギルが入れ食いになった。「一発大物を狙おう」。同行の友人はそう言いながら、持参した藻エビを餌に付けた。しかし、水深が浅いためか大型の姿は見えず、藻エビの餌ではアタリがあってもハリ掛かりして来ない。

 

そこで、湖岸の道を少し進み、ワンドの東側にある古い“ヘラ台(ヘラブナファンが造った釣り台)”に移動した。岸寄りの浅場で23、24cmの良型ブルーギルが、産卵床を守り、侵入してくるブルーギルを追い払っていた。付近には、1、2cmのブルーギルが無数に泳ぎ回っており、しばらく見学した。ヘラ台の周囲はビッシリと水藻に覆われており、3mの竿で振り込むと丁度水藻の切れ目に届いた。キジ餌で始めると、二人ともすぐに入れ食いモード。しかし、釣れてくるのは、12、13cmの小型ばかり。そこで、二人とも餌を藻エビに換えて大型狙いに徹することにした。

 

 

やはりアタリは頻繁にあるが、ハリ掛かりは悪い。小型のブルーギルでは、藻エビを一気に飲み込むことは出来ないようだ。それでも、しばらくすると、比較的小さなアタリで20cm級のグッドサイズが釣れ、まずは満足。

この日は、小雨がパラつく生憎の曇天だったが、周囲を覆う森からは鳥の声が聞こえ、空気がうまい。正味3時間程で竿を仕舞ったが、2人で50尾以上のブルーギルをキャッチ&リリースした。

釣り台付近は、少々足場が悪く、子供連れには薦められないが、最初に竿を出した護岸周辺なら、小さな子供でも十分楽しめる。ブルーギルは、比較的丈夫な魚なので、“ブク”を持参すれば生かして持ち帰ることもそれ程難しくない。その名の通り、青い鰓を持った熱帯魚を思わせるきれいな魚体だ。水槽で飼ってみても面白い。この夏、1度ファミリーで出かけてみてはいかがだろう。

 

※ブルーギルは、非常に貪欲に餌を食い、小さなハリでは簡単に飲み込まれてしまう。この日使ったような大き目の針がお勧め。

 

【ガイド】

交通マイカー向き。千葉東金道路・東金ICを下り、国道126号線を直進、約2.5km先の雄蛇が池入り口の看板を右折。入漁料なし。

 

千葉県東金市・雄蛇が池の地図

 

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