釣行報告

NO.04 利根川のヒネハゼ釣り

ヒネハゼというのをご存知だろうか。そう、前年の“生き残り”のハゼである。ハゼの寿命は、基本的に1年だが、中には2年以上生きるものがいる。また、生まれる時期も一律ではなく、最高で5、6ヶ月の差がある。したがって、シーズン最盛期の秋になってもハゼの大きさにはかなりの差がある。当然、翌年まで生き延びたハゼも一律の大きさではない。しかし、近年、ヒネハゼの大きさが全般的に小さくなっている−と言ったら、異論を唱える人がいるだろうか。

特にその昔“尺ハゼの里”として名を馳せた坂東太郎・利根川の型の落ち込みは顕著だ。以前は、秋になれば“尺ハゼ(30cm以上)”とまではいかなくても手の平に乗せれば、頭と尾が垂れ下がるサイズ(25cm以上)が必ず釣れたものだが、最近では、そんなサイズは数える程になってしまった。原因は不明だが、とにかくハゼが昔のように育たなくなっているのは、紛れもない事実だ。

それでも毎年、この時期になると、利根川にヒネハゼを求めて出掛けている。20ウンcmのハゼを求めて…。

今年も出掛けた。「曇り時々雨」という予報は幸いにも外れ、厚い雲に覆われてはいたものの雨の気配はない。この日は潮の時間帯が悪く、午前5時前後が満潮。早起きして出掛けたものの釣り場に着いた時(午前7時)には、すでに引き潮にかかっていた。全く潮が流れていないよりはましだが、上げ潮に比べればペケである。

 

利根川下流に架かるかもめ橋上流の左岸側(千葉県側)に入った。岸寄りに消波ブロックがビッシリと並んでおり、その先が緩やかなカケ上がりになっている。水深は干潮時でも40、50cmあり、ハゼ釣りには絶好のポイントだ。

 

3.6mの竿に玉ウキを4つ程つけたシモリ仕掛け(道糸0.8号、ハリス0.6号15cm、ハゼバリ8号)を結び、ジャリメ餌で釣り始めた。同行の友人と少し離れて、仕掛けを入れたが、なかなかアタリは来ない。釣り始めて15分程たっただろうか、ウキが小さく動いた。慌てて合わせたが空振り。しばらくすると、同じポイントで今度は明確なアタリが来た。一呼吸待って合わせると、今度はガッチリとハリ掛かりした。釣れてきたのは、丸々と太った13cm級のハゼ。間違いなくヒネハゼだが、あまりに小さい。10分程して、小生より上流に入っていた友人にも同型のハゼが釣れて来た。やはり丸々と太っている。

 

その後もアタリは遠く、忘れた頃にポツリポツリ程度。結局、2時間程粘ったが、12〜13cmのハゼを3尾と2尾の成績。潮具合の悪さを差し引いても少々辛い成績。まだ時期尚早だったようだ。それにしても型が小さい。以前は、この時期に利根川で竿を出せば、20cm級のハゼが必ず釣れたものなのだが…。

一体、ハゼの世界に何が起こっているのだろうか。もうしばらくしたら、今度は潮の条件がいい時に出掛けてみるつもりだ。

 

【ガイド】

JR成田線・下総豊里駅下車、徒歩20分。マイカーは、東日本自動車道・佐原香取ICを下り、国道356号線を銚子方面へ直進。

利根川、利根かもめ大橋付近の地図

 

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