釣行報告

NO.02 茨城県・黒須新堀のマブナ釣り

「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」と言われるが、この鮒とはマブナのこと。最近では、マブナに始まりヘラブナに終わる と解釈している人、あるいは、鮒とはヘラブナの事と誤解している人も多いようだが“マブナ釣りに始まりマブナ釣りに終わる”が正しい解釈。ヘラブナは元々、琵琶湖にいたゲンゴロウブナの改良種。その歴史は、まだまだ浅い。「鮒に始まり…」は、江戸末期にはあった言葉であり、その時点ではヘラブナは存在していないのだから…。

 

何はともあれ、小生が最も好きなのは、マブナ釣りである。先日、そのマブナを狙って、千葉県・黒須新掘に出かけた。ここは、JR鹿島線・十二橋駅から歩いて(5分〜10分)行けるのが魅力。運転免許というものを持たない小生には、まことに有り難い釣り場である。

 

 

のんびりと出掛け、釣り場に着いたのは午前11時過ぎ。すでに帰り支度を始めている老釣り師二人と出会った。「どうでした」と、声を掛けると、ニコッと笑って「ボツボツだね」と言いながら、10〜17、18cmのマブナが30尾程入ったビクを見せてくれた。釣り人至福の瞬間である。「食いが渋くなって来たので、もう帰ろうかと思って…」とのこと。餌は練りを使ったと言う。

最近は、練り餌を使ってエンコ釣り(座っての釣り)をする人が増えた。マブナ釣りは、首から水箱をぶら下げて、ポイントを探しながら歩く釣りが本来の姿と思うが、別にエンコ釣りが“違反”ではない。足が衰えれば、エンコ釣りもやむ得まい。

 

「食いが渋く…」という言葉は気になったが、とにかく竿を出した。9尺(2.7m)の竿に軽いシモリ仕掛けを結び、赤虫を餌に釣り始めた。成る程、アタリは遠い。それでもしばらく探って行くと、シモリウキがスーッと横に走った。軽く竿を立てて合わせると、小気味よい引き込みで12cm級のコロッとしたマブナが釣れて来た。黄色っぽい魚体をした“金ブナ”だった。この1尾を皮切りにポツリポツリながらアタリが続き、正味3時間程で丁度10尾(10〜18cm)のマブナを釣って納竿した。

 

黒須新掘は、直線的な水路だが、幅7、8mで水深は40〜50cmと短竿でのマブナ釣りには好適な所。両岸とも雑草に覆われているが、あちらこちらに点々と釣り座があり、そこを狙えば、運動靴でも楽しめる釣り場である。真夏の一時期を除けば、ほぼ周年マブナ釣りが楽しめるはずだ。

 

【ガイド】

(交通)JR鹿島線・十二橋駅下車、徒歩5〜10分。マイカーは、東関東自動車道・大栄ICで下り、国道51号線を佐原方面へ進む。利根川に架かる水郷大橋を渡り最初の信号を右折して県道101号線に入り、横利根川の水門を越して1つ目の信号を左折。与田浦橋を渡り約150b先の路地を右折すると700b程で黒須新掘。

黒須新堀の地図

 

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