競馬雑記帖

NO.9  何のための「遊漁船業法」!?

「遊漁船業法」が施行されて3ヶ月が過ぎた。最終的には10月を待たなければ、日本の釣り船業者が一体何軒になるのか定かにはならないが、現3万3000業者が3分の1程度になるものと思われる。

そんな中で、千葉県のコマセ問題が依然として物議を醸し出している。問題は非常に簡単で、千葉県漁業調整規則の中に括弧書きでコマセ釣りは禁止されており、現在、千葉県の海でコマセ釣りをすれば漁業調整規則違反となる、すなわち「遊漁船業法」違反になるのだ。しかし、以前から同県下においては、慣習としてコマセ釣りが行われており、漁業調整規則違反を承知で黙認されてきた経緯がある。

 

4月1日の「遊漁船業法」施行以前に、水産庁から“水産庁長官通知”という形で現状に則していないコマセ釣り禁止の条項(括弧書きを取る)を削除する旨の通達が出されたが、千葉県では、それを行わなかった。ならば、千葉県・水産課の担当者は、県下の釣り船業者に対し、「遊漁船業法」施行を機会にコマセ釣りを止めるべく指導するのが本筋である。ところが、指導はおろか、一部の漁業協同組合、あるいは釣り船業者と結託して水面下で”調整作業”をしているという噂が流れている始末。現実に4月1日以降もコマセ釣りを継続している船宿が「遊漁船業法」違反で検挙された例はなく、「法律で決められた以上、漁業調整法が改正されるまでは、コマセ釣りをしない」と、まことにまともな行動をとった一部の船宿が、違法のコマセ釣りで多くの釣り人を乗せた船を指を咥えて見ている−という状況が3ヶ月続いた。

 

法治国家において、このようなことがまかり通っていいのだろうか。こんなことでは、せっかく施行された「遊漁船業法」も骨なしになることは必定。近年、衰退の一途を辿っていると言われる釣り業界、今回の法律施行(遊漁船業が業として正式に認められた)を機に心機一点、業界全体の底上げを!との気運もあるが、こんなことではとても歯止めがかかりそうもない。

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