競馬雑記帖

NO.42  現れては消える第二のディープインパクト!?

2007年のクラシック戦線が始まった。フサイチホウオーが、ここまで4戦4勝で1頭抜きん出た成績を挙げている。2戦2勝、3戦3勝、あるいは4戦パーフェクト連対などの馬が現れる度に「第二のディープインパクト」の文字がスポーツ新聞の競馬面に躍る。しかし、それらの期待は悉く裏切られ続けている。3月4日に武豊騎手が騎乗して「弥生賞」を勝ったアドマイヤオーラが4戦3勝、2着1回の成績で、フサイチホウオーの相手筆頭に躍り出たが、そのスケールは、正直、ディープとは比較にならない

 

残る期待は、無敗のフサイチホウオーだけである。しかし、彼に対する評価も必ずしも高いとは言えない。その根拠のひとつが2着馬につけた着差にある。確かに新馬戦こそ3馬身2分の1の着差で楽勝したが、その後の3戦は◆2分の1馬身、◆クビ、◆クビである。しかし、これは、彼が「シンザン型」(シンザンは、常に小差で勝ち、レースが終わると、真っ先に走りを止めた)だと考えれば、問題はないだろう。

 

注目すべきはタイムである。彼は4戦の内、新馬戦を含め3戦を1800m戦で戦っているが、タイムは◆1分50秒1、◆1分48秒7、◆1分47秒7と毎回大幅に詰めている。確かに着差だけを見ていると、圧倒的な強さは感じられないが、小生、実は相当に強い馬だと思っている。鞍上も安藤克己騎手なら、何の心配もいらない。このまま皐月賞に直行すると思われるが、好タイムで完勝する−と考えている。

 

問題は、その後である。皐月賞までは、あるいはダービーまでは、同世代には無敵を思わせるレース振りを見せた馬は数多いる。しかし、日本の三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)が確立した昭和14年(1939年)からの60数年で三冠馬に輝いた馬は、セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、そしてディープインパクトの6頭を数えるのみだ。さらに無敗の三冠馬ということになれば、シンボリルドルフ、ディープインパクトの2頭しかいない。フサイチホウオーに3頭目の無敗の三冠馬が望めるかと聞かれれば、現段階では?である。

 

しかし、500kgを超えるバランスのとれた雄大な馬体には、限りない可能性を感じている。ディープインパクトに匹敵する、あるいは超える馬がそう簡単に現れるとは思っていないが、彼が勝ち続けてくれる内は、しばし夢が見られそうな気がしている。

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