競馬雑記帖

NO.33  100年に一度の歴史を体験しているのかも…

ご存知の方も多いと思うが、サラブレッドは、三大始祖と呼ばれるダーレイ・アラビアン(アラビア産・1700年生まれ)、バイアリー・ターク(トルコ産・1680年生まれ)、ゴドルフィン・アラビアン(アラビア産or北アフリカ産・1748年生まれ)、そしてその子供たちであるエクリプス(1764年生まれ)、ヘロド(1758年生まれ)、マッチェム(1748年生まれ)からスタート、300年の歴史を刻み、現在に至っている。

その間、名馬と呼ばれる数多の馬が出現、一時は「サラブレッドの墓場」と言われた我が国にも、セントライト、シンザン、モンタサン、メイズイ、グレートヨルカ、ハイセイコー、タニノムーティエ、アローエクスプレス、オグリキャップ、テンポイント、グリーングラス、トウショウボーイ、ナリタブライアン、ミスターシービー、シンボリルドルフ等々十指に余る名馬が出現している。

 

競馬暦ウン十年の小生、思い入れのある馬も数多く、名馬に列挙されない馬たちの中にもハクセツ、カブトシロー、エリモジョージ、ソロナオールなど記憶に鮮明に残る馬たちも数多いる。しかし、今年、2005年、過去のそうした馬たちが束になってかかっても敵わないと思われる程強いサラブレッドが出現した。

言わずと知れたディープインパクトである。3歳の秋に15ハロンの距離の競馬で、上がり3ハロンに33秒台の脚が使える馬が存在することが不思議である。おそらく、例年ならばアドマイヤジャパンは、相当強い菊花賞馬として賞賛されていただろう。それほどAジャパンの競馬は完璧だった。それを差し切ってしまうのだから、「次元が違う」としか表現方法が見つからない。もしかすると、我々は今、100年に1度の歴史を目の当たりにしているのかも知れない。

 

左後ろ足の爪が薄く、通常の蹄鉄が履けないそうだが、とにかく大事にしてほしい。ジャパンカップは使わず、有馬記念に出走するそうだが、出来ることなら今年はもう休ませてやってほしい。彼は、間違いなく世界の競馬界の宝である。

人間のつまらぬ欲や見栄、義理などで無茶な使い方だけは決してしないで戴きたい。完調に近い状態で出走している限り、外国馬も含めて彼を脅かす存在は皆無と断言しよう。是非とも無敗のまま競走生活を終わってもらいたいものである。

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