競馬雑記帖

NO.26  眼鏡をかけろ!!

「おい、今の何番だ、5番か6番か。帽子は赤だったよな」、

「ピンクじゃねーの」、

「何か内側にもう1頭いたような気もするんだが…」、

「眼鏡かけろよ、眼鏡っ。」、

「これじゃ競馬場に来てる意味がねーじゃねーの」、

「人に言うまえにお前がかけりゃあいいじゃねーか」、

「俺、眼鏡なんか持ってねーもん」、

「けっ!」…

 

中央競馬が中山にやって来ると、頻繁に出掛ける凡友がいるのだが、2人で競馬場に行く度にそんな会話ばかりしている。2人とも近眼で乱視だ。おまけに最近では老眼も…当然、眼鏡は必需品、少なくとも小生は近眼乱視の眼鏡を持っている。

ところが、奴ときたら眼鏡すら持っていない。目が悪いという自覚に欠けているのだ。だが、あまり奴ばかりは責められない。

 

小生も眼鏡は持っているものの、うっとうしくて滅多にかけない。最近は、競馬新聞の馬柱の字を読むのが辛くなって来た。余計に眼鏡をかけたり外したりするのが面倒臭い。

結果、競馬場に行く時には、眼鏡をかけて行かない。すると、2人でゴール前を凝視しているにもかかわらず、馬のゼッケン番号の判別すらままならない状況となる。それでも相変わらず2人とも眼鏡をかけずに競馬場に出掛ける。ゼッケン番号の判別が出来ないということは、ゴール前に馬がやって来ても叫べないということだ。

 

競馬観戦最大の醍醐味と言っても過言ではないのが、ゴール前での絶叫だ。

「差せー!」、

「そのままあ!」、

「来るンじゃな〜い!」。

 

叫んだところで結果が変わるものじゃないことは百も承知しているが、この絶叫が快感なのだ。眼鏡をかけないことにより、その快感を捨てていることに気が付こうではないか、
ご同輩!!

前のページに戻る