競馬雑記帖

NO.22  英国で競馬の八百長発覚!

9月1日、ショッキングなニュースが飛び込んできた。かのダービー発祥の地、サラブレッドの聖地とも言うべき英国で、競馬の八百長疑惑が持ち上がり日本でも騎乗したことがあり、英国のダービージョッキーでもあるキーレン・ファロン騎手を含む騎手3人と調教師1人など計16人もの競馬関係者が英警察当局に拘束されたというもの。

その内容は、ちょっとした出来心などで済ませられるものではなく、分かっているだけでも80レースに疑惑が持たれているとのことだ。

 

その昔、我が国でも競馬絡みの八百長話は枚挙に暇がないほどあった。舞台は「草競馬」と呼ばれた地方競馬が大半ではあったが、中央競馬においても皆無であったわけではない。騎手や調教師が八百長に手を染める理由の99%は当然のことながら金である。ダントツの世界最高賞金(未勝利戦の1着賞金が500万円などという国は他に例がない)である我JRA(日本中央競馬会)所属の騎手や調教師が僅かな金で動くことはまずないが、地方競馬ではまだまだ金の魔力に負けてしまう人はいるようだ。

 

高松のアイドル、ハルウララに武豊騎手が騎乗したレースの1着賞金は11万円であった。地方競馬の進上金も中央競馬同様、調教師10%、騎手5%であるから、たとえ勝ったとしても騎手の収入は5500円である。これでは、10万、20万の金で心を動かされる人がいてもやむを得ないと思ってしまうのは、下種のかんぐりだろうか。

 

世界に冠たる高額賞金の中央競馬でさえ、実際にリッチな騎手や調教師は一握りなのである。小生、JRAの騎手に何人か友人、知人がいるが、その収入格差たるや文字通りゼロが1つ違うのである。地方競馬においても同じような現象があると聞く。

 

英国の賞金額も重賞競走(グレードレース)こそ我が国と遜色ないが、下級条件戦においては、我が国の地方競馬並と聞く。小生の大好きなかのニュージーランドの賞金額などは、重賞競走においても我が国の地方競馬よりも数段低いものがいくらでもある。

 

ブラッドスポーツも所詮は「博打の世界」。以前、我が国では電車やバスの中で競馬新聞を読むことが憚られた時期があった。理由は競馬イコール博打のイメージが強かったからである。博打にイカサマ(八百長)は付き物。今回の事件が競馬の根幹を揺るがす事態にならないことを切に願う。

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