競馬雑記帖

NO.20  旅打ちの季節目前!

6月27日に宝塚記念があり、7月11日の3回阪神8日目で前期の中央開催は幕を閉じる。秋まで函館、札幌、新潟、福島などのローカル競馬の季節となる。

 

“番組”上では、一流馬はほとんどが休養に入り、決して充実したレースがあるわけではない。それどころか中央で勝ち切れなかった馬たちが大挙出走しての未勝利戦が番組の中心となる。中には4コーナーで歩いてしまったり、最初から最後まで闘争心の欠片も示さず、ただコースを回ってくる馬などもおり、どうにもならないレースが大半を占める。それでもローカル競馬は楽しいのである。

場外馬券売り場に出掛けてまで買うレースは数える程だが、敗者復活戦とも言える低レベルの未勝利も現場で見ていれば、それなりに楽しいのである。そのために、毎年、気の置けない仲間たちと“旅打ち”に出掛ける。競馬場近くの温泉宿などに泊まり、1泊2日の小旅行。初日の晩は2日目のレース検討で盛り上がる。レースは未勝利でも何でもいいのである。馬さえ走っていてくれればいいのだ。たまにはドカーンと大穴があく、メンバーの1人がそんなのを1つ仕留めれば万々歳、皆幸せな気分に浸れるのである。

 

競走馬が続けられるか否かが決定する最終テストといった感のある未勝利戦なのだが、馬たちがそんなことは知る由もなく、全て人間側の都合、勝手なものである。ローカルの未勝利戦で名前を聞いたのを最後に2度と姿も名前も見なくなる馬たちが数多いる。そんなことを考えると少々センチな気分になるが、小生も勝手放題の人間サイド、馬券を買った馬が4コーナーをトボトボ歩こうものなら、「こらっ、コンビーフにしちまうぞ!」などと喚いている。サラブレッド諸君、御免なさい。今年も福島あたりで罵声を浴びせるかもしれないが、許しておくれ。決して本心ではありません。競走馬全馬が天寿をまっとう出来ることを心から願っていることを忘れないでほしい。

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