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国立新美術館 photo travelogue home なにやら六本木の方に、また新しい美術館ができたらしいというので行ってきました、国立新美術館。公募で名称を決めたという割に「新」の位置が不思議だったり(どうもそれなりの理由はあるらしいですけど)。ちなみに英文名称は National Art Center, Tokyo。美術館のコンセプト(らしいですよ)で、ロゴにもなっている「新」は、英文名称には反映されていませんが、しかし、一般的に言えるように思うのですが、英文名称の方が実体的なイメージがつかみやすい感じがするのはどうしてなのでしょうか(「アートセンター」という方が、いかにも自分では所蔵品持ってない展示場ですって感じがしませんか?)。ロゴは佐藤可士和さんデザイン。なんだかすごくクリエイティブで売れっ子でこの人にまかせとけばオッケー、みたいな方らしいですね(大雑把な認識)。英文ロゴの書体がかわいいです。
建物内は、ガラス壁側のテラスが上までずーっとふきぬけてます。でもって、横幅もかなりあるし、まあ、何しろ広い広い。庶民としては、もう、だだっ広い空間に身をおけるだけで、かなり満足だったりする。で、この中に2本の円錐を逆さにして床にぶちこんだような構造物がどーんとあって、それぞれの上にレストランとカフェがのっかっているという、これまた、わくわくする構造になっています。しかも、この、手前側の方の円錐の上にのっかっているのが、ポール・ボキュースのブラッセリーなんですよ。でもって、ポ−ル・ボキュースなのに、昼のプレフィクス・コースの安い方が、なんと1800 円というお手頃価格! これは行くしかない、というか、正直言うと、今回ここに来た目的はランチだったわけなのですが……。 席数が180あるとかいうんで、ちょっと並べば大丈夫かなーと思って11時半ぐらいに来てみたら、もう、この段階ですでに2時間待ちの行列……。甘かった。甘すぎました。つもる話のある女友達とだったら、もしかしたら2時間ぐらいしゃべり倒して待てる……かもしれませんが、今回、母親と行ったもので、ぜったい間がもたないだろうから、さっさとあきらめました。 ということで、次回、行くんだったら、10時から並ぶ覚悟で行くとします。それとも、もう、いっそ、ランチあきらめて、予約を入れてゆっくり来られる 19:30 以降でアラカルトにするか。アラカルトも1200〜3500円くらいということでしたら、たまに食べるフレンチとしては泣くほど高いわけではないし、ヘンな円錐の上で、回りに壁のない(透明な壁はあるけど)浮いた状態でご飯を食べるというおもしろ経験(?)込みなら、そう悪くないかなという気がします。夜は夜でライトアップしたりして雰囲気出すんだろうしね。 今回は、あきらめた結果、地下1Fのカフェテリアに行きましたが、今思えば、第二円錐の上のロンド・カフェでもベーグルサンドぐらいは食べられたので、そっちでもよかったかなーと。地下のカフェテリアは、ミュージアムショップの奥にあって、お弁当・サンドなんかも売っているかなり気軽なカフェです。セルフのカフェテリアにありがちな、とっちからかった感もなく(まあ、平日で混み混みではなかったせいもあるかもしれませんが)、清潔で、話し声も意外にひびかず、落ち着いて食事できて悪くなかったです。お料理は……そうですね、紙皿で出てくる割に高くないか?というものも一部ありましたが、美術館値段といいますか。コストパフォーマンス的には固やきそばあたりが納得いくセンかもしれません。あるいは、いっそ、弁当にするか。 ![]() しかし、きょうびの美術館はやはり、いいレストラン、カフェを備えてなんぼという感はありますね。すてきな芸術作品にふれただけで、もう感動で胸いっぱい、食事のことなんて忘れてしまいます……なんて人はそういないわけで。なんでも自分基準で考えるものでもないのかもしれませんが、やはり、美術展の余韻やアートな空間にひたりつつ、できれば素敵なお食事やお茶も楽しみたいわという人は多い。餌でつると言えば聞こえはよくないですが、美術館の集客ツールとして素敵レストラン・カフェはやはり強力です。その点、国立新美術館、かなり成功したように見受けられます……(と、釣られた人は語る)。 さて、一応、美術館に来たわけだし、展示も見ましたよ。2007年2月現在、やっていたのは「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」(2007年1月21日(日)〜3月19日(月))と「異邦人たちのパリ 1900−2005 ポンピドー・センター所蔵作品展」(2007年2月7日(水)〜5月7日(月))と、入場無料の黒川紀章展(詳細はこちら)ですが、有料展を二つ見るのは大変だろうと思ったので、とりあえず、会期が5月まであるポンピドー・センターの方をパスして「20世紀美術探検」の方にしました。 私は、自分でもなんでかよくわからないのですが、現代美術が結構好きで、まあ、比較するものではないのでしょうが、昔のオランダとかの黒っぽいやたら物が本物っぽく描いてある絵より、意味がわからない抽象画やばかでかいインスタレーションものの方が見ていて楽しいと思うタチなので、今回の「20世紀美術探検」はよかったです。この展覧会のチケット、ポスター、図録に使われている、トム・ウェッセルマンの「バスタブ・コラージュ」のシリーズもなんでかしらないけど前から好きだったので、これにつられたのもあります(写真の図録の上にのってる絵葉書も同シリーズのもの)。展示内容は、その名の通り、20世紀の美術の展開を物質文明の発展と関連づけつつ、流れを追って順に見て行くという意欲的なもので、だからやや総花的なきらいはあったかもしれませんが(そして、展示物の量が約600点と半端なく多い)、今までこの手のものに関しては「なんか、みんな、けったいなことしてるなあ」というぼんやりとした鑑賞しかしていなかったので(まあ、他のジャンルにしてもそうなんだけど)、色々、歴史や背景事情がわかって面白かったです。特に、何に注目するとこういう表現方法になるのかという点について解説があったのがよかったです。おかげさまで、多少、何かがわかった気になれました。 絵葉書がなかったもので、つい図録も買ってしまったのですが、こちらの方にはさらに詳しい解説があって勉強になります(別に勉強せんでもいいんだけど)。いくつかの作品については、展示の横にもこういうの書いといてくれたらいいのにな、というのもあったり(森村泰昌の「批評とその愛人」シリーズとか、ハンス・ハーケの「スーラのポーズをとる女性達、1888-1975」とか、解説がないと意図がわからないですし)。 気に入った作品は色々あったのですが、特に印象に残ったものを自分メモとして書いておきます。
まあ、しかし、現代美術って、正直、「何だそりゃ」って思ってしまうものも多いですよね。 今回の展示の中に、パーティションで細長く仕切られたスペースのかなり奥まったところに台が一つ置いてあって、その上にぽつんと水色の花瓶に花が生けておいてあるだけ、という作品があったんですね。それも、まあ、ごく普通の生け花で。係の人が「どうぞ、近くに寄ってご覧になって下さい」と言うから、一応、寄ってみたものの、別に変わったアレンジがしてあるでもなく、いけてある植物も本当に普通のもので、別に何の仕掛けもなくて(あとで目録見たら作品名も「生花」でした)。なので、うん、まあ、なんだなと思いながらそこを出たわけですが、その時、我々のちょっと後でやってきたおじさんが、その展示をちらと見て、回れ右して、去り際に「ふざけてやがる」というつぶやきをぽそりと残していったんです。それが、なんかすごくよかったんですよ。なんでしょう、こういう感覚を忘れてはいけないなと、目が覚めた気が(笑)。なんのことやらですが、あれです、わからんもんはわからんでいいんだなという。 あと、まとまりがないですが、気がついたことをだらだら書いてみます。ミュージアムショップがよかったです。ミュージアムショップというよりは、アート系セレクトショップなのかな。ミュージアムグッズあり、何を基準に選んでいるのかよくわからないオシャレグッズあり、写真集あり、図書もあり、クラフトあり、コミックスあり、ガンプラあり。雑多な品揃えに見えますが、それでいて、どこかに何かしらツボにきそうなものがありそうな気配がプンプンします。 各所にある休憩用の椅子が北欧ブランド椅子ばかりです。アントチェア、スワンチェア、シェルチェア。1F のシェルチェアには座ってみましたが、背中が少し後ろ倒しになって楽なのに、だらしなく見えないというあたりがさすがですね。 美術館の建物にはチケットなしでも入れますので(有料展のチケットは外のチケット売り場で買いますが、もぎりは各展示スペースの直前になります)、ふらっと来て、その辺のブランド椅子に座って持ってきた文庫本なんかをゆっくり読んで、気がむいたらカフェでお茶、なんてこともできてしまいます。いいですね、優雅ですね。3Fにはアートライブラリーもあるみたいなんで、そちらも今度のぞいてみたいと思います。 難を言えば、見栄え重視で仕方ないのかもしれませんが、エスカレーターが少ない。場所も端と端だし。エレベーターも目につくところでは真ん中に2基しかなくて(他にもあるのかしら?)、しかも遅くて、今、どの階にいるのかの表示がないのでちょっとイライラします。あと、各展示室の入り口がさりげなさすぎて、どこで何やってるのかぱっと見てわかりにくい気がしました。ただ、案内の人達が各所にいて、皆さん親切で応対がよいので、なんでもさっさと聞いてしまえばいいんでしょうけどね。 何しろ広いので、人はたくさん来ているんだろうけど、それでもゆったりしていてよかったです。展示内容や曜日によってはすごくなるのでしょうけれども。聞いた話では、美術館開館当初、ポール・ボキュース6時間待ちだったそうで……。 まあ、でも、再びポール・ボキュース狙いか、もしくは、ただぼんやりしに行きたいです。よい所でした。 (よろしければ、下の photo リンクから写真も見てやってください) (2007/02/08) |