◆ 桜多版009コミック・レポート(1) ◆
by: つか様
以前、ブログで「桜多吾作(おうた/ごさく not さくら/たごさく)」先生の描かれた超銀コミカライズが気になる!という記事を書いたことがあります。
桜多版超銀河伝説の存在は「コンプリ本」の188p (コミカライズ・コンプリートガイド・コーナー)で知ったのですが、この4分の1ページしかない紹介記事を見ただけで、かなり興味をひかれました。キャプションはズバリ、
「原作では絶対にありえないジョーのセリフが最大の魅力だ」。頭身が低く、熱血少年っぽいルックスの9は、確かにそのページの中で一人異彩をはなっていました。ある日、そこに引用されている1ページ(サイズにして 2.3cm X 3cm に4コマ入り、フキダシ内の写植は2ミリに3文字という小ささ)にいったい何が書いてあるのかとがんばって解読してみたら、これが、もう笑える、笑える。
ブログに引用したものですが、こちらでも引用しておきますと:
009「戦いは男の仕事だ
女の子は美しい自然や音楽や踊りにあけくれていればいい」
003「女の子をばかにしてるんじゃない
私だって戦士なのよ
わたしがいなければ001のめんどうはだれがみるの」
009「そんなことはどうにでもなる
サイボーグチームのリーダーとして命令する
地球にのこれ(集中線しょって、ビシッと指差しつつ)」
そういえば、原作の島村さんも「女の子は女の子らしくしたほうがいいよ」と言ってたことがありましたが、同じようなことを言うにしても「女の子は音楽や踊りに
あけくれていればいい」はいかがなものか。003だって「女の子をばかにしてる」と腹も立ちますわな。確かに原作ジョーではありえなさげなセリフ。
この9の前時代的な発言といい、血の気が多そうな口調(と顔つきとポーズ)といい、対する3の見た目がおとなしげで、おまけに、反論のしかたが情けないことといい(なぜ、「私だって戦士なのよ」と言いつつ、索敵能力ではなく001のシッター役をウリにするのだ)、これはいったいどういう話になるんだろう、これじゃ、3の人は地球に残っちゃいそうだよ、平手打ちとかしなそうだよ、などと思っていたのですが。
思っていたところで、周囲にこの本を持ってる人もいなさそうだし、古本屋やネットで探すほどのマメさも情熱もないので、このまま、ずっと続きを知ることはないのだろうなと、なんとなく思っていたわけです。
ところが。
ある日のこと。普段、中沢をはじめとする得体の知れない女達からのスパムしか来ない私のヤフー・メールの受信箱に、なんと、次のようなメールが入ったのです。
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こんばんは、初めてメールさせていただきます。HNつかと申します。
(中略)
(桜多超銀コミック)私も持ってました。すごく面白いです! 親に捨てられてしまって今は
ないのが本当に残念です。
『地球に残れ!』の次の展開ですが、なんとフランソワーズが、『そんな命令は聞けないわ』とぷんぷん怒りながら行ってしまうのです。あわてて後を追い、フランソワーズの腕をつかむジョー。ところがフランソワーズは背を向けたまま『私だってサイボーグなのよ 人間には戻れないのよ。それなのに・・・(うろ覚え)』と涙ぐみ、『ち、ちがうんだ、そうじゃないんだ』うろたえるところでまたページをめくると、『わかんないのかよ!』と真っ赤になって怒鳴る009のアップ。ページ半分くらいの大きさのコマです。フランソワーズは頬を染めて『ジョー』と一言、どうやら何かがわかった模様でした。
変な王女様との三角関係に傷ついていた(私の)心が、この直球とはいえないまでも明らかな告白によって、だいぶ慰められたのを覚えています。これが本当に009と003といえるのかは別として。
そして、なによりすごいと思ったのは、研究所に集合して敵のことを知らされたときのジョーの台詞です。こぶしを前に突き出して、『先手必勝、やってやろうじゃん』ですって。ほんと、喧嘩上等、誰なんでしょうこの人、石森章太郎はこれ知ってるのかしらと唖然としたような気がします。
とにかく面白いです。おまけの『ディスボラスの復活』もすごく面白いです。3好きには受けること間違いなしだと思います。戦いで服が燃えてなくなってしまったフランソワーズが、最後のコマでジョーの服を(借りたらしく)着てるのがツボです。ジョーは防護服。上着は大きいのか袖を通さず羽織ってるだけ。すごく可愛いです。
と初めての方へのメールで興奮しすぎてしまいましたが、失礼な点がありましたらご容赦ください。
かしこ
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このメールを読み終えた後、私、しばらく、感動のあまり言葉が出ませんでした。そして、ピンクでマークをつけた部分を何度も何度も読み返してしまいました。
いやあ、これ、ちょっといい話じゃありませんか!
正直、こうくるとは予想外だった。原作の女子にやさしいジョーなら絶対言わない高圧的なセリフに騙されるところでした。
もちろん、ジョーのえらっそうな物言いにもひるまず、ぷんぷん怒って「そんな命令はきけません」と行ってしまうフランソワーズも素敵でかわいいのですが、娘に涙ぐまれたとたんに情けなくうろたえる島村、そして、この
ナイスな逆切れ。
この、9が3を大事に思うが故に戦いに連れていきたくないという重要な場面、映画版の「君には鳥のように舞うバレエがふさわしい」とか「僕に生きる力をくれたのは君だ」といったセリフは、悪くはないんだけどいささか甘く小ギレイにまとめた感があるのに対し、桜多ジョーの方はスマートさの欠片もないあたりに、むしろ思いの真剣さが感じられるといいますか、不器用さがカワイイといいますか……。
でもって、なんか甘酸っぱいですよね、これ(笑)。読んでて照れ臭くなります。原作にもこういう感じの胸キュン・シーンは、ちょっとありませんよ。いや、いいことを教えてもらいました。
さて、私、つかさんにお礼のメールを出しがてら、せっかくなので、この話をホームページで紹介させていただいてもよろしいでしょうかとお伺いしてみましたところ、ご快諾いただいたばかりか、「それでしたら、この素敵な本について、記憶している限りのことをもう少しお伝えしたい」というありがたいお申し出がありまして……このような経緯で、なんと、いただいてしまいました、「桜多吾作版009コミック・レポ」! つかさん、ほんと、すみません、どうもありがとうございました!
ということで、桜多コミック・レポート詳細版 こちらからどうぞ! NEXT