◆ 御神籤 ◆
by: ばちるど 様(うたかたの記



ねえねえ、ジョ−。 あれは なあに?

お宮の参道に入ってからきみは そう矢継ぎ早に問いかける。
そうだよね、
初めて見て 初めて聞く コトばっかりだものね。


この地に住み始めて初めてのお正月
博士とイワンと。きみとぼくと。
4人で静かに過ごすはずだったんだけど。
大晦日も昼過ぎに訪ねてきたコズミ博士が
にこにこ顔できみを<拉致>して行った。
「夕方には送ってくるでの。 二人で二年参りにでも行くといい。」
「はあ・・?」

それで。
そわそわ 残りの大掃除も上の空でさ。僕はいらいらと時計とにらめっこ。
 − まだ 4時だ… でも、もう<夕方>だよ!

「…ただいま…」
「おかえり! ……わあ…!」
待ちわびていた声に 玄関に飛んでいった僕の目の前には。

「…おかしくない?…」

やさしい鴇色(ときいろ)を基調にした振袖をまとったきみがいた。


今日ばかりは二年参りの人々で賑わう近所の神社で
亜麻色の髪を紅色の手絡できっちり結い上げたきみは
注目のマトだってわかってる?
 − わかってない、よね。
見るもの・聞くもの みんな目新しくて。
きみ自身の方がいつもと違う回りの情景に夢中だもの。

ねえねえ、ジョ−。あれは なあに?

そんなきみと 並んで歩くのって。
なんだか 背中がむずむずして でも とってもうれしくて
参道がもっと長ければいいのになってちょっと残念だったよ。

二人とも 僕も、回りの人の見よう見真似で とにかくお参りをすませて、さ。
「あ、ちょっと待って? マスコットを買ってくるから…」
 −マスコット…?
裾捌きに苦心するきみを ちょっと心配して待ってたんだ。

「おまたせ…。 ほら、見て? オフダ と ハマヤ と オミクジ。
素敵でしょう?
コズミ博士にも頼まれたのよ。」
「へえ…。 あ、御神籤はなんだった? 読めた?」
「? 読むってなにを? 御守りのマスコットじゃないの?」

怪訝な面持ちのきみの手から 御神籤を受け取って。 そっと 開いて。
 − ああ、よかった……!

「コレは一種の Fortune Telling さ。 ほら…。 きみの今年の運勢はね …」

「……!  大吉、でした♪  ありがとう、ジョ−。」

−大吉は。
僕の運勢なのかもしれない……

抱きついてきたきみに 新年一番初めのキスをもらった僕は ひそかに そう、 思った。



「うたかたの記」の、ばちるど様から頂きました。

実を言いますと、ばちるど様から頂いた年賀カードについてた御神籤で大吉を引いたのは私ですvv
で、そのお礼にと着物フランのサインペン絵をお送りしたところ、
なんと、ばちるど様がこんなカワイイお話を作ってくださいまして……
重ね重ねありがたいことでございました。
というわけで、このお話には、もともと私がひいた大吉に、フランちゃんがひいた御神籤の大吉、そして、フランちゃんから初キスをもらったしまむーの大吉と、大吉が3つ入っているのです。
読まれた方には、きっと御利益がありますよ。
皆様の2004年がステキなものになりますように。大吉のお裾分け。

ばちるど様、素敵なお年玉をありがとうございました!