あるウカツな009ファンの話

あるファン、ていうか私なんですが。

ええと、どっかにも書きましたが、私が009にはまったのは79年アニメの時ですね。そこから原作へ流れていったワケなのですが。初めっから3びいきだった私、テレビ見てても原作読んでても、第一の関心事は「93ラブラブ状況はどうなっとるのか」。おかげで、フラストレーションたまりまくり。79年アニメと言えば昔の女まゆみに、王女キャサリン(この時の島村、いやに楽しそうだったな)だし、その後、超銀河伝説ではタマラがいたし(93に波風立てるためだけに出てきやがったとしか思えない)。原作は原作で、イルーカもヘレナもヘレンもイシュキックもいるし、あと、やめときゃいいのに、ちょうど出ていたノベライズ物(SFロマンとかいうやつ)を読んだら、なんか、ヨミ編といっしょで、フラン、バレエを捨てて戦いの場に戻ったっていうのに、やっぱり、別の女(ヘレンみたいなやつ。設定は忘れた)が出てきてジョーとラブラブ……。なんで、どこをあたっても紅一点の扱いがこんなに悪いのだ! ひどいじゃないの!

そんな私の唯一の救いは、当時、少年サンデー等で連載していた、いわゆる「後期原作」。ここでは、邪魔くさい女も出てこないし、9が3を恋人と認めていると思われるエピソードもそれなりにありましたし、この時期の二人がカレシ・カノジョの関係であることは、客観的に見ても間違いない、ですよね?

まあ、だから、前半、色々あったけど、結局は93は、ちゃんとくっつくんだからよかったさ、と自分を納得させていた当時中学生の私でしたが、となると、気になるのが「どのあたりが、ターニングポイントだったのだ」。だって、やっぱり、ラブストーリー(本来ゼロキュウは違うけど)で一番オイシイのは、できあがっちゃってからではなく、できかけている所でございますから。

ヨミ編では3が9好きっていうのは、ものすごく明らかになっていますが、9→3はまだない。ないっていうか、まあ、もしかして、それらしい気持ちのカケラくらいはあったのかもしれないけど、本人の自覚がないようですので、この段階で二人がデキていないことは確かです。問題はこの先だ。やはり、カギは「移民編」。ここでは、二人の子孫が出てきてしまいます。私的には、司令官の「ご先祖発言」より前に二人にデキていてほしい。子孫に出てこられてから意識するんじゃ、あまりにマヌケだからな。そう思って、移民編の二人の様子を見てみると、おお、結構、カップルくさいじゃないの。ジョーに通信機をつけてあげるとこなんて、なんとなく、だまって出勤前にネクタイ結んでやる妻に通じる風情があるし(?)。それに、何より例の名ゼリフ「笑ってごらん、アルヌール」が……。あと、リナちゃんという、歴代女キャラでも一番カワイイ娘(私評価)が出て来ても、ジョーがフラついてない……ように見える。よし、ここまでにカップル成立してるな。オッケーだ。と、いうことは、ヨミ編で流れ星になったジョーがイワンに助けられて復活してから、移民編に入るまでのどこかで、まあ、具体的に何があったのか書いてないからアレだけど、二人はくっついたのだな。中東編の後も、娘さんフランスに戻らなかったんだしね……(張さんとブリさんも戻ってないけど)

……というように、自分のことは棚に上げて、架空の人々の恋愛についてしょーもないことを考えていた中学生の私(しかも立ち読みしながら)は、しかし、当時、あるものを見落としていたのです(はい、わかる人は、わかりましたね?)。それに気付いたのは、ギルモア博士ではありませんが「つい、この間」、2001 年の秋でした。

平成アニメ009のおかげ様で(ちょうど、長期出張から帰ってきた次の日が第一回放送だったという、ワナかと思うようなタイミングだった)、再び、原作コミックスを読み出した私。今度は、立ち読みじゃなくて、ちゃんと買ってます。大人だから。まず、手始めに6巻まで出てたMF新書判を一気買いし、その後、気に入ってた話を、ぽちぽち拾い買いしているうちに、当然、ゲットした「移民編」。購入後、さっそく、記憶を頼りにシマムーの歯の浮くセリフをチェック、チェック。……ああ、あった、これだ、これ。くうぅ、言うなあ、島村。「君の笑顔はグッと素敵なんだ」。グッだよ、グッ! 田原俊彦かい! ぷぷぷ。

などと、ベッドの上でのたうち回って笑いをかみ殺していた私でしたが、そのまま、ふと、その下のギルモア研究所と夜の海を描いた大ゴマに目をやると…………あれ……? ここの、この二人の影って………? 何か顔、近くないか? 近いよな? もしかして、くっついてる!? え、これって、これって、もしかして……


えええええええッ!? ここ、キスシーンだったんすか!?




………いやー、これ発見した時、嬉しいと思うより前に、冷や汗でましたねえ。だって、もし平成アニメがなくて、ゼロキュウ熱が復活することがなければ、私は、フランソワーズの恋の進捗状況にあれほど一喜一憂(正確には憂ばっかり)していたというのに、こんな重要な事実を一生知らぬままだったのかもしれないのですよ! ああ、気付いてよかった、危ない所だった、これで、安心して死ねる……。20年前、あらゆる009解説本を立ち読みしまくったおかげで、ベッドシーンの方はしっかりチェックしてたけども、そういや、キスシーンに関する記述は読んだことなかったからなあ。騒ぐほどのことじゃないのか、キスなんて。

でも、このコマ、貴重だと思うんですよ。まともなキスシーンって、これくらいでしょ。あとは、現実だか何だかハッキリしない例のヤツ(しかも、ラブシーンというには悲愴すぎ)とか、どっかの宇宙人に共感して見せられた映像とかだし。いやー、ほんと、見落とさなくてよかったよ。もう、こんなにちっこく描きやがって! ベタ塗りだし! (とはいえ、ちゃんと白で集中線引いてあるのに気付かなかったというのは、やはりウカツ。当時は小さい文庫本で立ち読みしていたため、ページの内側の絵がよく見えていなかったのでしょう。ファンとか言いながら立ち読みで済ましていた所が、そもそも間違いだし。反省。まあ、流れからいったら、当然、ここでキスがくると予想すべきなのでしょうが、「009」にそんな気のきいた(?)シーンがあるとは思ってなかったし。)

ということで、結論:
ありがとう、平成アニメ! このコマに気付くキッカケをくれたことと、エンディングのフランソワーズの絵だけで、私は充分です。脚本のことは何も言うまい。

どうでしょう、他にも何か私が見落としてそうなラブシーン(93限定)ってありますかねえ。何かありそうだったら、教えて頂けると嬉しいです。ホントに見落としてたものを教えてくれた方には、謝礼出してもイイ!というくらいの気持ちはあります。