深い悲しみとに襲われ失意のどん底において、ついにマジセルは決断した。メテオマスターへの転職を!!
マジセルには夢があった。JOBLv50になって、ギルドメンバーみんなに祝福されながらケッコンし、その直後に転職。その後、集まってくれた人々と一緒に、廃レベルダンジョン(新婚旅行)にいく。花嫁と助け合いながらモンスターを倒し、徐々にメテオを覚える。メテオマスターとなったとき、二人はその日の狩りを終える。・・・決して難しい夢ではないとマジセルは信じていた。おそらく何人もの人がこれと似たようなことを行ってきたであろう。
ともにβ1のころよりパーティ(以下、PT)を組み、苦楽をともにしてきた彼女の行動は、マジセルが予測できる範疇を逸脱していた。マジセルとのけんかはよくあることであったが、マジセルと彼女の関係はすこぶる良好であった。しかし、突然彼女はPTを抜けてしまった。マジセルには全く理由がわからなかった。
そのままβ1が終わり、β2となった。
PTを抜けたとはいえ、彼女とマジセルの関係は良好で、耳打ちで楽しい会話を繰り返していた。その話の中で、PTは別々になっちゃったけど、マジセルがエンベリウムを手に入れてギルドを作ったら、きっと一緒のギルドでがんばろうと誓っていた。けんか別れしたとき、彼女との約束で、マジセルはLvが5アップするまで、会わないと誓った。β2では序盤のLv上げがβ1より簡単になっていたため、ほどなくLv5アップを遂げ、彼女とマジセルは再会できた。しかし久しぶりに会った彼女はマジセルに衝撃を与えた。彼女のネーム表示にはすでにどこともしらないギルドのエンブレムが飾られていたのだ。
ギルドに入ったほうが、経験値を稼ぐための仲間集めは都合がよいのは事実である。攻撃力のあるマジシャンなどならソロでも経験値を稼ぐことはできる。回復の資金さえあれば、ソロでもかなりの効率である。しかし、アコライトは一般的に攻撃力がなく経験値を得るのが大変であった。彼女も例外にもれず攻撃力がなく、経験値を稼ぐのはかなり苦労していた。
このギャップを解消するためβ2ではPTの機能として経験値の公平取得が実装された。ただし、Lvの差が5以内でないとその効果が発揮できないため、連絡手段にはギルドが担うことになった。彼女のLvはマジセルとほぼ同じで公平PTを組むことはできたのだが、彼女はマジセルと組むのを嫌っていた。マジセルにはその理由はわからなかったが、あるアサシンさんとずっと組んでいたそうだ。前衛であるアサシンと組むほうが、彼女にとって有意義であったのだろうか。
彼女がアサシンと狩りをしていた頃、マジセルはソロ狩りをしていて、まだエンベリウムを手に入れることができていなかった。マジセルはできるだけ早く手に入れたいと思っていたが、ソロでエンベリウムをドロップするモンスターを倒すことはまだ無理で、仕方なく購入資金をためるしかなかった。
資金稼ぎに伴い、Lv5アップを達したマジセルは久々に彼女と狩りをした。彼女のどことも知れぬエンブレムに気になってはいたものの、彼女との楽しい時間を大事にするため、マジセルは黙っていた。ただ一つ、マジセルがギルドを結成したらこっちに来てくれることを約束してくれた。
それからしばらく彼女とマジセルの狩りは続いた。ふたたびマジセルに幸せな時間が訪れた。経験値をお互いあげていくうちに2次職に転職できるLvになった。そこで転職をいつするかという話になったとき、せっかくだからということでJobLv50を二人で目指そうと約束した。そのころ、マジセルと彼女は婚約した。
ところがである。JOBLv50になろうと誓った婚約者はJOB44付近で転職。プリーストになってしまった。彼女の辛さはよく理解していたが、何も言わず転職した彼女にマジセルはまたしても衝撃を受けた。
彼女と一緒の日に転職のイベントすることを絶たれてしまったマジセルだが、まだ自分がJLv50を満たしていなかったので、自分だけでもと思い、目標を達成しようとがんばった。いつのまにやらJLv47、48となりついにJ49の98%まで達したところで彼女に連絡した。すると彼女は臨時PTで狩りをしていた。マジセルは最後は二人で狩りしているときに祝ってもらおうと思ったのだが、一緒に狩りしようと誘われたので、臨時PTに参加した。そして、あっけなくJOB50を達成してしまった。
一通り祝ってはもらったものの、臨時PT中であり、アクティブモンスターがどんどん迫ってきたため、感激に浸る間を与えてくれなかった。マジセルは落ち込んだが、まあ彼女と狩りできていたので、満足した。
しかし、現実は残酷であった。JLv50を達成したものの、時期はβ2終了が迫り、駆け込みでいろいろなイベントが流行ってきたので接続困難となっていた。ギルドメンバーみんながいるときにケッコン式および転職をしようと決めていたマジセルに、この条件を満たす時期は得られなかった。
そしてついにβ2が終了した。
しばらくしてEpisode1.5がスタートしたが、何日たっても彼女は現れなかった。何らかの用事があってROにログインできないとのだろうと、マジセルは彼女を待った。3日、4日・・・1週間、2週間・・・1月・・・何の進展もないまま時が流れた。
マジセルはすでに限界であった。彼女のいない間、商人セルやアコセルが主に活躍、資金稼ぎなどをしていたが、稼ぎはあまりよくなかった。そこでマジセルがフラストレーションを解放するためにたまに出て、グラストヘルムや時計塔に突っ込み、強力なモンスター達に挑んだ。もっとも・・・ほとんど自滅していたが・・・。
二ヶ月たったとき、唐突に彼女が連絡してきた。しかし、その内容はマジセルをこれまでにない衝撃を与えた。彼女のRO引退(2003年第5話)であった。
マジセルの何かつっかえるものがとれた。彼女がたとえいなくとも、ギルドメンバーが集まったとき(2003年第2話)に転職しようと譲歩していたマジセルであったが、もう転職せざるをえなかった。そうしなければ耐えられなかった。
マジセルはただちに動いた。手当たり次第、現在連絡がとれる友達に連絡し、ゲフェンに走った。連絡できた限りの友達が集まったところでついに転職した。しかし、・・・彼女はいない。。マジセルは彼女なしにWIZになりたくなかった。でも、ならなければ耐えられなかった。常に動いていないと、彼女を思い出してしまう。
その日の狩りで、マジセルはあっさりとメテオマスター(メテオストームLv10取得)となった。念願のメテオ。。マジセルがこれを覚えるのに2月を要したのに・・・あまりにあっけない。虚しさだけを残し、彼はいまも唱えつづけている。いつも彼女を思い出しながら・・・?。