後輩の寄席を見た。
午後1時半に始まって、ハネたのが午後8時半。7時間の寄席だ。
寄席がハネた後、知り合いの「落語ファン」のひとりからは、
「林田さん、これだけ多くて長いとやったら、J1、J2方式がよかっちゃなかと」と笑いながら言われた。そう思ったお客さんもきっと多かったろう。
つまり、おもしろい人を選抜・構成して、高座に上げたら?ということだ。
こう言う話は、寄席が長くなればなるほど、よく言われるし、学生時代、そう感じたこともある。でも、その答えは『無理』。
素人寄席でも、木戸銭をいただいているのだから、客に辛い思いや、負担を強いることはあってはならないが、やはり、大学の落研の寄席は「発表会」的な性格が強い。
色んな思いをして、半年、皆で頑張った集大成が「寄席」。実力によって高座に上がれる、上がれないと言うことがあってはならない。
当然、部員が多いと、寄席の時間が延びることは致し方ないのだ。
どこの大学の落研でも、この点は大変苦労しているようだが、やはり、結論は全員出演であって、結果、2日間にわたって寄席を開いたりと苦労しているようだ。
話を聞くと、愛媛大学の落語研究会は70人の部員を抱え、3日間、寄席を打つらしい。これも凄いし、全部見た人に逢って、話を聴いてみたい。
しかし、一席の時間を短くするなど、それぞれが、寄席の時間短縮に努力しなければならないのは、当然である。
で、話は少々変わるが、今回、お客さんを見ていてちょっと気づいたことがある。
自分が学生時代、高座に上がっていた時期も含め、私は15年ぐらい、こういった素人寄席を見てきた。
で、最近感じるのが、お客さんのこらえ性のなさである。いや、誤解なきよう。お客さまを責めているのではないのですよ。
勿論、大前提として、良質の落語(芸)を提供する必要性は踏まえた上で、ですよ。
すごくお客さんの入れ替わりが激しくて、自分の知り合いの部員の高座だけ見て、席を立つというお客さんが増えました。勿論、最初から最後まで7時間ぶっ通しで見れたのは私を含め関係者だけでしょう。恐らく。
これまでも、そういう傾向はあったのだけれど、今回、私が見る限り、皆、お客さんを引きとめようと、高座でも頑張っていたし、もう少し見ていてだけるのかな、という気はしたのだけれど、やっぱり「激しい入れ替わり」でした。
どう言えば、いいのか。
刹那的と言うか、フットワークがいいと言うか、瞬間的と言うか・・・。
1分間に最低1回ぐらい、笑えるところがないと、お客さんがついてこない感じがある。
笑えない、感動できないと、実にあっさりと席を立つ。
「次はどうかな」という期待感で「こらえていただける」「待てる」時間が、実に短い。
会話してる途中に、相手の携帯電話が鳴り、そっちの会話にすぐに入っていくでしょう?
あの感じなのです。
瞬間的にチャンネルが変わる感覚といってもいいかもしれません。
もう少し、見ていって欲しいんですけどねぇ。
こういう方々を席に引きつけておく、いわば、落語(芸)のお代わりさせる高座の提供、なかなか難題です。
でも、自分たちが『素人芸』だからだと、きっと投げてはいけないのでしょう。
落語はやはり、おもしろいし、楽しいのですから。
「見てもらえばわかります」と自信をもっていえる寄席にして欲しい。
そう願いたいです。
追記(2001/12/15)
このあと、掲示板にご意見をいただきましたので、そちらもあわせてご紹介します。
ハリーさんより
日記の「こらえ性」拝見いたしました。おっしゃる通りでございます。
私も大学時代(約10年前)バンドのサークルに入っていて、
ここまでではありませんでしたが、ほぼ同じ経験をしたもので。
ただ、私が客としてこういう場に出向いた場合、
最近思うのが「この出演者、今までただ漫然とやってただけじゃないの?」という人が急増しているということです。
プロになるつもりはなくても、コツというか、神髄というか、そういうものを日常的に模索し努力していた人が昔は多かったと思うんです。
それが今では、「自分が目立てばいい」という自分中心レベルの人が大半。
(こういう人はプロであるTVのバラエティ出演者にも増えてきています)
お客様の事より自分が大事なんです。
>勿論、大前提として、良質の落語(芸)を提供する必要性は踏まえた上で、ですよ。
管理人さんを疑うわけではないのですが、この事は身内では
なかなか判断できないんですよね。
これでは客が我慢できるわけがありません。
自分の身内の芸だけ見て帰り、後で身内仲間でそれについて談笑する、
それが客の唯一無二の目的でしょう。
素人でも、本気の人が多ければ自然と口コミで客が入るものです。
私も実際、バンド(ドラム)で最大の壁を自力で乗り越えたら
あっという間に初めてのお客様が急増してリピーター(ファン)になってくれました。
素人の一番の武器は口コミによる噂です。
次の演者を期待する価値があるかないか、何も情報がない場合、
お客様は自分の今までの経験上で席を立つか立たないかを決めるんだと思います。
取り留めもなく長々とすみませんでした。m(_
_)m
私のレスです。
その通りだと思います。
お金を払って、わざわざ足を運んでいただき、時間を自分にくださったお客さまに、渾身のもの、最良のものを提供するというのは、高座に立つものの責任です。
このHP内には書きませんでしたが、後輩の現役諸氏には、このことは多少なり伝えました。
言葉足らずのDiaryでした。
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