ずぶ濡れの訳 ということ
 池島から番組の生中継をした。
 久々の現場からの中継で、力が入った。

 でも、その日は不思議なことに、朝から、中継時間になると、激しい風雨に見まわれた。
 番組をご覧になった方はお気づきかもしれないが、途中、ずぶ濡れになってしまった。

 風雨の中で生中継をする時、見た目以上に苦労します。

 例えば、台風中継のときなどは、原則レインコート姿。さらに原稿はビニールなどでコーティングした鉛筆か油性マジックもしくはボールペンで書かれた一枚物にする、というのが原です。
 (因みにインクジェット印刷やサインペンは、水に滲ため、文字が読めなくなります。FAXなど熱転写は滲むことはないのですが、2枚以上だと、表面の薬品が糊のようになり、ベタっとくっついて、めくれなくなるのです)

 この日は、さすがに、番組のほぼ全体を、現場からと言うことで、原稿が一枚物にできる分量ではありません。
 それと、裏側の事情を言ってしまえば、番組開始時には雨もなく、もう大丈夫だろうと、たかをくくって、傘を一本しか用意してなかったのですね。ですからレインコートも当然、準備していませんでした。

 私だけが傘を差して、記者はずぶ濡れと言うのも大変見栄えが悪い。
 さらに、横から傘を差してもらっているというのも、尊大に見える。

 で、結局、記者との絡みのパートでは、傘を諦めました。

 でも、視聴者の方は途中から『ずぶ濡れ姿』がずいぶん気になったそうで、「なんで、傘、差さんかったの?」と色んな人から言われました。

 そうなんですよ。あなたは正しい。 

 だけど、激しい雨風の中、マイク持って、傘持って、バインダー持って、おまけにページめくりながら、カメラ見て間違いなく喋るって、できないでしょ。やっぱ。千手観音じゃないんだもの。

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