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ある物を『買う時の価格』とある物を『売る時の価格』。その価格差が深刻なのでは…と、ふと思うのです。
個人での『もの作り』が極めて難しい時代なのではないかと思います。
以前、私はある竹細工職人さんを取材させていただきました。
じっと、座りつづけて数ヶ月かけ、美しい『花篭』を編み上げていきます。 一人の職人が数ヶ月かけて作りあげたものです。当然、何十万という値段がつきます。 しかし、職人さんは「なかなか売れないんだよ」とおっしゃいます。確かに正直、いくら美しいとはいっても、今の生活の中で、数十万円もする「花篭」に手が出る方はそう多くはないのかもしれません。
まだ、"職人の技"という付加価値のついたものは売れたとしても、笊(ざる)や籠などの生活用品としての竹製品は、安い「外国製品」に押されて全くと言っていいほど売れないそうです。(勿論レベルに差はあるものの、職人が1日かけて作った製品が、外国製だと数百円なのだとか…)
竹細工職人には厳しい時代だ、と嘆いていらっしゃいました。
例えば、あなたに絵心があって、絵やイラストを売って生計をたてられるでしょうか?
そのイラスト一枚を完成させるのに丸1日かかったとして、いくらで買って欲しいですか?一万円ぐらい?あるいはもっと?
では、逆に、イラスト一枚を一万円以上で買うとなると、スゴクためらうのではないでしょうか。
インターネットに多少の知識があって、『企業等のサイト構築』などのデザイン・設計をして生計をたてられるでしょうか?
数ヶ月かけて、聞き取り調査をし、プランやサンプル等を作ってプレゼンテーションをしました。実際に稼動させ、その上で更新のレクチャーをし、さらにヨクワカラナイ文句も言われたとします。
はてさて、この作業でいくら欲しいですか?50万?100万円ぐらいですか?
では、あなたが発注側だったとしたらどうでしょう?ホームページの構築に100万円出せますか?
多くの企業や個人は「そんなにだせない」と感じるのではないでしょうか。「コストに見合わん。その程度のレベルなら、もっと安くできるところを探す」となるのが関の山かもしれません。
つまり、外国製品や、これまで"器用な素人"とされてきた人たちが、一般の流通に乗ることで、世の中で、「これぐらい出して買う・買ってもいい」と感じる値段と、「これぐらい出して貰わないと生活できない・困る」という値段が基本的にずれてきていると思うのです。
『物は安く買う』というのが当たり前の時代。100円ショップがもてはやされ(私も使っている)、ユニクロが大人気。ファーストフードは低価格競争を繰り広げる。
物の価値がどんどん下がり、安くでしか売れないという時代は、消費者にとっては諸手を上げて大歓迎っぽくも見えるのだけれど、それを作った人、特に個人で活動しているクリエイターにとっては、何とも困った時代なのではないか、と思うのです。
今の社会は職人(マイスター)を支えきれる力がないのかもしれません。
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