34年ぶりの大雪 ということ
 長崎市で積雪が15センチとなりました。積雪量が10センチを超えたのは、1967年(昭和42年)以来、34年ぶりとのことでした。
 その時、私はまだ1才。当然憶えてなんかいません。

 相変わらず、「坂の町長崎」は雪にもろい性格を露呈してしまいました。朝から、市民生活は大混乱。通勤通学の足が確保できず、ほぼ終日、大きな影響がでました。
  長崎にとっては久し振りの『凄い雪』で、ローカル放送でも、どこか「わーいわーい雪だ雪だ」というトーンで今回の雪を伝え、街中では大人も一緒になって雪だるまを嬉しそうに作っていました。雪だるま写真コンテストでも開けそうなくらい町内あちこちに雪だるまができてる。
(もう少し降れば、長崎で『かまくら』を見ることができたかもしれない…)

 台風の時もそうですが、被害が甚大にならないうちは、皆どこか、「違う日常」をワクワク楽しんでしまうところがあるようです。
 いや、私も独りだったら、きっとそういう気分になったでしょうよ。

 でも、今回は違いました。『お先真っ暗』『成す術なし』『呆然自失』、というところでしょうか。交通機関が麻痺するなか、2才半の子供を抱え、家から動けなくなってしまったのです。

 私のウチでは、カミさんが朝早く出勤した後、私が娘に御飯を食べさせ、車で10分ほどのところにある実家に送り届けたあと、そのまま、会社に向かいます。
 車は使えない。バスが来ない(来たとしても実家への直通路線はないのだ!)。頼みのタクシーは予約電話さえ通じない。そして勿論、こんな雪の中、歩ける距離じゃない。

 いやー、どうしようかと思いました。ま、家にいる限り、死ぬことはありませんが、このまま、今日一日ここから動けないんじゃないか、と降りつづけるボタ雪を見ながら本気で思いました。ホント。どうやって会社に行こうか悩みましたよ。

 結局、昼前、バスが動いてる音がしたので、覚悟を決めて、バス停まで行ってみました。しかし、一向にバスは来ません。二人で振るえながら待ち続けること30分。たまたま、一台のタクシーが通りかかりました。
 まさに、「渡りに船!」いや、「タクシー」。娘と二人、すがるような目でタクシーを止めました。
「乗せてもらえないでしょうか?」「いいですよ。」「ありがとうございます。助かります。」

 かくして、ようやく、実家に子供を送り届けることが出来たのでした。
 実家への道すがら、至るところで、楽しそうに『雪合戦』や『雪だるまづくり』をしている人たちを見ると、どこか恨めしく思える朝でした。

 俺だって、独りだったら、『歩いて』でも、『長い時間かけて』でも行くけどさ!
 まさに、だるまのように「手も足も出ない」雪の朝でした。