2000年4月15日
今日お喋りの運転手さんのバスに乗った。
また、よー喋る。
「最近、車内での高齢者の転倒事故が相次いでおります。
バスを降りる際には、車が完全に止まってから席をお立ち下さい。」
「乗ってこられるお客さんに、杖をついた方がいらっしゃいますので、どうぞ、入口近くの方は席を譲って差し上げてください。あ!乗ってこられてから声をかけてあげてください。遠慮なさるといかんですけんね。」
「ご協力ありがとうございます。」
「現在、春の交通安全運動実施中です。」
繰り返し、繰り返し訴え、かつお客さんが乗った時も、全員が着席するまでは、絶対に車を動かさない。
席を立とうとするお客さんにも再び長崎弁で、アナウンス。
「あ、お客さん、車が突然揺れる事もありますけんね。気を付けとって下さいよ」
この運転手さん、ずっとルームミラー使って車内ばっかり見てて、前見て運転してるんだろうかとちょっぴり不安になるくらい。饒舌。
車内全体が『よー喋る運転手さんやな。』という雰囲気に包まれている。。
そして、おじさんのこの呟きが車内マイクで放送されて車内が一気に緩んだ。
「んーんー、今日は案内のもう一つやな。あんまい口のよー回らん。
やっぱ、油モンば食べてきとらんけんかな」
最近、通勤などでバスによく乗ります。
長崎市内で利用できるバス会社は2社。県営バスと長崎バスです。
私が利用するのは主に県営バスの方。その名の通り、経営主体は「県」、いわばお役所です。
公共交通機関として、決して利用者の多くない『田舎路線』を多く抱え、経営としてはあまり芳しくありません。
ところが――
以前のお役所的雰囲気からすると、ここ1年ほど、利用してて、実に気持ち『いーぃんです!』。
(誤解しないで下さいね。県営バスに知り合いがいるわけでもなく、長崎バスが悪いとか言う気は毛頭ありませんので…)
とにかく、姿勢が徹底してます。
『アイドリングストップ運動』は私が乗ってる限り、ほぼ完璧に行われてます。
それから、『高齢者の事故防止』も徹底しています。お客さんが全員座るまで転倒防止のため、バスを動かしません。
(それこそ、映画『スピード』みたいに、誰かが監視でもしてるの?といいたいくらい完璧。)
考えてみると車内案内って難しい喋りですよね。
『内容や、タイミング、頻度』どれをとっても。
毎日、その路線に乗ってる人にとって次のバス停の案内なんて不要だけど、初めて利用する人にはこんな大事な情報は無い。車内案内ってお客さんによって全然、受け取り方も違う訳ですよね。
しかも、それを運転しながらやってるんですから。
『車内は出来るだけ静かにしておいて。寝たいしうるさい。』っていうのも確かにわかるんです。
でも、やっぱり、無機質なテープガイドが延々流れるより、今日のおじさんくらい車内案内に力が入る人がいてもいいと思うんです。
運転手のお客さんへの気持ちとか、運行に対する心構えが伝わるじゃないですか。
そんな事を考えながらバスに乗っていると、途中のバス停で、ひとりのおばさんが降りるときに運転手に声をかけました。
『ありがとうございました。ご苦労様』。
するとそのおしゃべりの運転手さんはこういいました。
『ありがとうございます。ほんと運転手ばしよって、そがん言わるっとが一番嬉かとですよ。』