2003年02月12日

気になるモノ言い

 最近、気になる、というか正直言って気に入らないCMメッセージがある。
 我が社でも流れているため、どこのものとは言わないが、美容化粧品だ。

 街角で肌年齢をチェックし、「あなた実年齢よりも、肌年齢が5才上ですよ」と伝える。
 私はすでにこの段階で、何とも言えない胡散臭さというか、根拠のなさが気になってしまいます。
 さらに、このあと、「調査の結果、95%の方が実際の肌年齢よりも5才上だという事が分かりました」とのメッセージが流される。
 それを聞いて、受け取った人は「へーそんなに衰えているの?あ〜ら大変。私は大丈夫かしら?」などと単純に感じるものなのでしょうか?

 よ〜く考えていただきたい。
 95%もの人が5才上だというのならば、その「5才上の肌年齢」とやらが、標準(実年齢)ではないか。
 肌年齢の基準がこうだと示されないかぎり、統計学的に言うとそうなるはず。

 例えば、「この調査は1990年当時に設定された肌年齢で調査しました。」と根拠を示した上で――、
 「今、現代人の女性は95%の皆さんが当時の肌年齢よりも5才衰えています」というのならばわかる。
 およそ10年前の女性たちより、今の女性の肌が衰えてるんだなぁと客観的にわかるから。

 実に微妙な問題も孕んでいて、民間放送局に務めるものとしては言い辛いのだけれど、「不安を感じさせて、物を売る」というのは好ましいコマーシャルメッセージではないと私は思う。