DVD機器の出荷台数がVHSビデオの出荷台数を上回りそうなのだとか。
ああ、これでまた新規格が時代に認知され誕生です。
ここ10年のメーカーは、以前の規格を引き継げない、ユーザー側から見れば断線したなかでの新規格ばかりを世に産み出している。
で、多分今度は、ハイビジョン対応の製品が、リリースされる。
その際は、次世代の「青色レーザー」を使った記録メディアが新規格としてリリースされるのだろうね。
その時は、また、ユーザーは互換性のないハードウエアをせっせと買い換え、買い足さなければならない。
ここまでくると、メーカーは、次々と製品を買って貰うために、新規格を繰り返し繰り返し出しつづけているとしか思えない。
そろそろ、いい加減にしてもらいたい。
新企画を苦労して開発されているのは結構だが、繋がりを持った規格で出すのが、ユーザー本位のはず。
『それは古い規格で、すでに製造は中止。今度のでは見れません、使えません』などというのは極めて無責任。
個人的には、製造中止するのなら、無償でメーカーがメディアの書き換えサービスをやってくれと言いたい。
前にも書いたけど、規格がガラリと変わるのが早過ぎる。せめて10年に一度ぐらいにしておかないと、保存のためのメディアとして意味を成さない。
だって、当然、プレーヤーも必要なんだもの。
音楽レコードはウチにあるけど、プレーヤーがない、針がないなんて家庭いくらでもあるでしょう?
ボーナスをはたいて、奮発して買ったビデオカメラ。今は成人した息子の小さい頃の映像が撮れてるはずなんだけど、再生できるβのデッキがない、なんて現実に聞く話でしょう?
皆さん興味ないかもしれないけれど、放送局が、時代に合わせていくつのメディアを扱っているかご存知ですか?
我が社の場合、音だけで、オープンリール、カセットテープ、オーディオカード、DAT、CD、MDにマルチチャンネル対応のハードディスクレコーダー。
映像になれば、光学式フィルム(確かこれも数種類ある)に、VTRの規格が業務用βにSXにデジタルが2種類とハイビジョン。さらにはVHSにS-VHSにDV、8ミリ、DVD-Rからハードディスクレコーダーまで扱ってる。
私が今思いつくだけでも、これだけは最低あるのですよ。
当然、全てに対応出来るように録画・再生・編集・エンコードができるシステムは最低限維持しておかなければならないわけで・・・途方もない。
で、さらに!放送はしばらくすると地方でもアナログ方式からデジタル方式に変わるんです。
今度はテレビ自体の規格が変わるんです!今のテレビじゃ何にも映らなくなる日が、近い将来やってくるのです。
なんだか、うんざりしてくるでしょう?
一体ゴールはどこなんでしょう?
結局、一枚のディスクに過去50年分の放送局の映像が入るようになっても、その後は、きっと100年分の映像が入るような記録メディアが登場するのでしょうね。それってハッピーなことなんでしょうか?
近い将来、自分の遺伝子情報も、カードの中のICチップに入ったりするんだろうなぁ。
そうするときっと人間は、あんまりものを考えず、憶えようとしなくなるような気がするなぁ。
今、漢字を書けなくなっているのと同じように、使わない記憶は頭の中からどんどん失われて、外部メディアに書きこみ保存するんだろうなぁ。
「コピーアンドペースト」上手の人間も増えるだろうなぁ。
「創る」「産み出す」という基本的な、地道な作業が億劫になっていくのかもしれないなぁ。
・・・地下鉄ってどこから入るのかナァ
ああ、それ考えると夜も眠れない・・・。