プログラム

K・フーザー「カンタータ〜男声合唱と金管五重奏のための〜」

  1. Introduction
  2. Credo
  3. Interlude
  4. I Should Not Dare to Leave My Friend
  5. Earth,My Likeness

曲目解説

カンタータ

 こんな「解説」めいたものを書く役にあたったくせに、大変申し訳ないのだけれど、この作曲家については何も知らないのです。(こんな締切間近に原稿依頼するな!) "Karel Husa"と綴るから、「フサ」とか「フザ」とか読むのかも知れない。「カレル」というファースト・ネームからすると、東ヨーロッパの方がルーツかなぁ。

 今回用いる楽譜はアメリカのSHIMER社から出版されていて、その中表紙には次のようなデータが載っています。

 「この作品は、Dr.スタンリー・マリノウスキー指揮ウォーベッシュ(Wabash)大学グリー・クラブの委嘱で書かれた。/初演は、ウォーベッシュ大学創立150年祭期間中の1983年3月30日。/3人のアメリカの詩人−エドウィン・アーリントン・ロビンソン、エミリー・ディッキンソン、ウォルト・ホイットマン−のテキストを用いて、1982年の夏にニューヨークのイタカで作曲された。//演奏時間:18分。//初出版:1989年8月。」

 全体は5曲から成っています。

 第1曲は「前奏曲」で、歌詞は一語"Earth(地球よ)"。この言葉は、終曲のホイットマンの詩の冒頭と同じです。2曲目は、ロビンソンの詩による「クレド(私は信じる)」。よるべのない広がりの中で予感される光の訪れ。金管五重奏のみでppでさざめく様に奏される第3曲「間奏曲」のあと、ディッキンソンの詩による第4曲「私は友人を置き去りにはしない」がゆっくりとしたテンポでしみじみと歌われます。

 そして終曲では、アメリカの知識層の最も愛し信頼する詩人の一人ホイットマンの詩「地球よ、私に似たものよ」が、高らかに確信的に歌われます。

(斎藤 令)


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