貯蓄情報Q&A


  長期運用の是非(早乙女氏より) Date: 2002-08-07 (Wed) 
先頃の日経新聞の記事にありましたが、日経225平均株価がついに45年平均線を下回ったそうです。
45年平均線とは、基準日の45年前までの株価の平均値を示したものです。その平均を下回ったわけですから、もし45年前から日経225平均株価連動型投資信託があったとして(もちろんその当時はありませんが)、毎月積み立てていったとしたら、45年後のいま、利益率0%(元本が増えていない)ということになります。
この45年間、日本での投資信託の積み立ては、無意味ということになってしまいます。

ここで、反論のある方がいらっしゃると思います。
いま示しているのは45年間の単純平均。とすれば、ドル・コスト平均法を使用すれば、もっと平均単価は安くなり、現在の株価でも利益がでるはずだと。
確かに、ドル・コスト平均法を利用すれば、平均値は20%程下がると思われ(目の子の計算ですが)、利益が25%でている計算になります。
しかし、投資信託は維持コストが発生します。買付時の手数料と毎年の信託報酬を考えると、25%の利益はあっというまに吹っ飛んでしまうでしょう。

仮に積み立てではないとしても、現在の株価は17年前の水準。
17年前に100万円分の投資信託を購入したとしたら、現在の時価総額も100万円。
もちろん、こちらも17年分の維持コストが発生していますので、実質10%ほどのマイナスとなります。
失われた10年どころではなく、まさに失われた17年です。

近ごろのマネー雑誌をにぎわせている、長期投資(株を買ったらそのまま持ち続ける)や投資信託の積み立て投資は、本当に意味のあることなのか?すごい疑問に感じている今日この頃です。

確かにここ数十年のアメリカの株式投資に関しては、それは当てはまりました。
ブラックマンデーなどが存在したことは確かですが、それも数十年のチャートで見ると、修正にも満たないような下落にしかすぎません。
ず〜っと右肩上がりの株価の上昇でした。
こういう時期なら、長期投資も積み立て投資もすごい有効だったことでしょう。

しかし、これ以前のアメリカには、株価が一定の範囲を上下するいわゆる持合相場が20年以上も続いていた時期も存在します。
このような時期から長期投資を始めても、積み立て投資を始めてもほとんど利益のでないケースは少なくないでしょう。

17年前の株価水準で、しかも45年間の平均値をも下回っている日本の株価。
このような状況下では長期投資は無意味かもしれないと思い始めました。
もちろん、いまが底値、これから30年間ずーっと右肩上がりの株価というのなら、いまが絶好のチャンスともいえるのかもしれませんが・・・。

長期投資のもうひとつのネックは、売却するときのタイミングをどうするのか?ということです。
よく雑誌に取り上げられているセブンイレブンですが、株式公開直後に130万円で1000株を購入していたとしたら、いま評価額が2億円以上だそうです。
しかし、ここまで持ち続けることが出来る人がいるのか?通常の人なら2倍の株価でおわりで、我慢できる人でも10倍くらいが限度ではないでしょうか?
売却できない持合株でないかぎりは、現在まで売らずに持ちこたえるのは至難の業だと思われます。
まさに、絵に書いたモチ。

老後のための投資信託の積み立ても同じことで、売却する時期が非常に難しい。
それまでの運用実績(年の利益率)もさることながら、売却のタイミングをはずすと、明暗がはっきりすると思われます。
60歳の定年時に解約したら、その2年後には株価が2倍になっていた、という笑えない状況も起こりうるわけです。
長期投資は、始めるのはやさしいが、やめるのは難しいと思い始めました。

もちろん、私自身も定期預金だと思って(私の頭の中では、投資信託の積み立ては定期預金と同じレベルでしかない)、昨年からTOPIX連動型投資信託を、毎月積み立てていますが、15%程度のマイナスだと思います。
もちろん、今後は株価が上昇するでしょうが、またいずれ下落するのは仕方ありません。
積み立てて果たして意味があるのか?

世間一般の常識である、長期投資&積み立て投資は思った以上にリスクが大きいのではないかと考え始めました。

ではどうすればいいのか?

この逆をやればいいわけで、短期売買に限ると。
しかし、そうなるとそれなりの知識などが必要なので、そこらへんの人においそれと勧める訳にもいかない。
個人資産の運用は難しい局面にはいったな〜という感じです。

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