あたしと先生は帰路についていた。
燃えるような夕焼けの茜色は、夜の帳の藍色にその姿を変えてゆく。
バイクの背に乗りながら素朴な疑問を投げかけた。
「結婚話のうわさはどうして?」
笑いながら弥勒が答えた。
「前担当していた患者さんの娘さんとの縁談話がありまして・・・
きっぱりお断わりしたんですがね。その後何度か病院にも来てましたから。」
ふ〜〜〜〜〜〜〜ん。
なんだ。
まぁそういうこともあるか・・・・・・。
あんなに悩んだのがばかみたい。
そうして嬉しそうに尚も続けた。
「・・・・・いやぁ〜〜〜vvかわいいお嬢さんでちともったいなかったかなぁvv」
ぴきっ・・・・・!
「・・・・・・・あたしもやめようかな・・・・・」
「な?!!ちょっと待て?!」
「殺生丸先生なら浮気なんか絶対しないもん」
「なんでそこでやつが出るっ?!」
「だって・・・・告白された。それも先生より先に」
「・・・・・・・・・・・・やられた・・・・・・・・!」
あせりまくる弥勒の姿がなぜか嬉しくて。
あたしの勘違いだったけど自分だけがあんな思いをしたのはなぜかくやしくて。
少しくらいならいいよね・・・・・・?
ごめんねv先生。
でも・・・・・・・大好きだよv
あたしだけのそばにいて。
ずっと・・・・・・・・・
その晩は一晩中弥勒と父は楽しそうに飲んでいたようだ。
あたしは早々に部屋に引き上げてたから、まさかそんな話になってるとは思いもよらなくて。
朝、結局泊まってゆくはめになった弥勒を起こしに部屋へ向かう。
「ほら!もう朝だよっ!今日も仕事あるんでしょ?!」
布団からなかなか出てこないことにあきれながらももう一度呼んでみる。
「先生ってばっ!!」
「う〜〜〜〜〜〜ん・・・・・珊瑚がキスしてくれたら起きます〜〜vv」
あたしは無言で顔に横にいた愛猫の雲母を近づけてやる。
ぺろっ
「みぃ」
「・・・・・どわっ?!」
「目が覚めたでしょ」
「・・・・・・・・冷たいですねぇ・・・仮にも婚約者なのに」
弥勒はさも残念そうに肩をすくめてみせる。
「かっ!仮でしょ!まだ・・・・・」
くすくす笑いながらようやくその体を起こすと
あたしの腕を引き寄せながら心臓に悪い極上の微笑みをその端正な面に乗せた。
「あ、これからここでご厄介になることになりましたから・・・
ここからなら通勤にも便利ですし、男所帯じゃ飯も大変だろう、と
珊瑚の親父さんが進めてくれましてね。荷物も数日のうちには運びますよvv」
「・・・・・・・・えええええっ!!!!」
いつのまにかちゃっかり我が家に居候の地位を確保した弥勒に
あたしは抱き寄せられながらも、この先起こるとんでもないことを予感して
小さくため息をつくのだった。
完
後書き
初めての小説です。処女作がこんなに長くなるなんて・・・・・(笑)
そもそもきっかけは「活字祭」のチャットでこういうネタあるんだけど
と話したときに「風華堂」の沙羅さんや「月宮天子」のさつきさんらに
「書いて書いて」とねだられたので、それならいっちょチャレンジするか
と血迷ったんですねー(笑)親しい人だけ宛のメール小説でした。
パラレルだからあまり受けないだろう、と思っていたのですが割と
好評でしてお世辞に乗せられ、この後も続くことになりました。
原作の立場とかあまり崩さずに書いているつもりですが
やはりほれ、そこはパラレル。弥勒先生がかっこよすぎだとか
珊瑚も可愛らしすぎるとか(笑)大きな目で見てやってくださいませ
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