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関東大震災前夜、

日本に在りながら革命を志した朝鮮人、朴。
無政府主義者という予め約束されたアウトローの中にあってさえ、
朝鮮人ゆえ阻害されている自分を感じながら、
しかし、それを糧とでもするように革命の意志を深めていく。

―朴を慕いつつ革命への疑問を拭い切れない朝鮮人留学生、梁。
―引き裂かれた自己に苛まれるマルキスト、荒木。
―愛する男のため、敢えて主義を同じくする女、ふみ。
―職業婦人を選んだ自分を朴と重ねる女性新聞記者、千歳。
―朴をつけ狙う特高警察、鬼頭。
―ふみを取り戻そうとするキリスト者の兄、織人。
―国を護ることこそ正義と信じる軍人、矢沢。

それぞれの思惑は交錯し、擦れ違い、ついに
その宿命の日はやってくる。