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 SM
   722から192へ 久しぶりの書簡だな。調子が狂ってるかも知れんが、お手柔らかに頼むよ。 
        さて、今回のお題は、最近某自称王子容疑者などで話題になった「SM」。
 SMって加虐趣味と被虐趣味のことだよね。 
        一言で言うと、オレとはかけ離れた趣味の世界だな。
 ボンデージファッションとかローソクとかムチとか、
 アイテムは有名だけど、よくわかんないんだよね。
 人を傷つけて楽しいか?いや、それ以上にムチ打たれてたのしいわけがない。信じられない世界だが、歴史でもジル・ド・レエとか、マルキ・ド・サドとか
 有名なSM趣味者が存在する。 苦痛と快感は紙一重のような気もするけど、
 どこがいいの?
 リアルではもってのほかだけど、二次元だとちょっと萌えるね。 
        美形を徹底的に虐待する小説なら書けそうな気がする。
 かわいいからいじめたおしてやりたい、苦しめてやりたいんだよ。
 半裸にして天井から吊り下げ、ムチで叩いたり、ローソクを垂らしたり、
 電流を流したり、死なない程度の拷問の限りを尽くし、
 気絶したら水をぶっかけて再 開。
 192に言わすと、ナチスか特高の拷問なんだって。 
        もー、わかんない。
 お前はSMに造詣が深いようだから、懇切丁寧に教えてくれ。
     ▼   192から722へ 俺べつにSMに造詣が深くなんかないよ。まぁ、小学校5年の時に、家にあったサドの無修正の「悪徳の栄え」を読んで
 ピンコ勃ちしてた子供時代ではあったが・・・。
  某自称王子容疑者って、18才の女の子をネットで脅して呼び出して監禁してた小林泰剛容疑者(24)でしょ。あれは完全なサドだと思うけど、
 SMとSMプレイって違うと思うんだよね。
 「悪徳の栄え」では虐待のかぎりをつくして犠牲者を死ぬ
        まで責めたりしてたけど、じっさいのプレイでそんなことやったら犯罪になっちゃうじゃん?
 だから、小林の事件の時も、2ちゃんのSM板では見るかぎり一番マトモな反応してたよ。
 他の板では、小林が案外イケメンで東北の富豪のおぼっちゃまだったことから、
 アタシも監禁されたい〜♪なんて、ファンクラブスレが立ってたけど、
 SM板の住民は冷ややかだった。いわく、SMプレイは信頼関係の上に成り立ってると。
 俺もそう思う。絶大な信頼関係がなかったら、調教もフィストもアナル拡張も・・・あああ。
 とにかくいろんなプレイがあるけど、そういうの楽しめないじゃん。
 というわけで俺は穏健派のSM趣味だと思うんだけど、おまえや小林容疑者やマルキ・ド・サドみたいのはちがうんだな。
 一方的な強大な力で相手を破滅させるのが趣味なんでしょ?イヤーダー。
 とか言いつつ、「悪徳の栄え」の、昔に裁判ざたになってカットされたシーンが
 いまでも忘れられないほど頭にこびりついてる俺。
 どんなシーンだったか知りたい?
 
   ▼   722から192へ まず第一声。 
        オレってサドや小林容疑者と同じ扱いなのかいっ!? そりゃサディスティックなシーンは好きだけど・・・
 彼らは実行に移していずれも刑事犯罪者になったけど、オレは脳内限定だよ?
 >一方的な強大な力で相手を破滅させるのが趣味なんでしょ? 
         うーむ、破滅までは行かなくてもよいのではあるのだが。美しいものが恥辱にまみれて苦悶する姿がたまらなく美しいと思うんだよね。
 白い天使をズタボロに汚す快感というか。 誰でも拷問虐待したいってこともないよ。
 加虐待心のツボにハマる美形がいるんだよなー。
 どんなのかというと、優男だが反抗的で生意気で一途で・・・って、オレの嗜好はど うでもいいか。
 
  お前のレスの中で今回印象に残ったのは「SMとSMプレイは違う」ってとこ。 
        SMはオレやサド好みwの一方的な虐待拷問で、
 SMプレイは信頼関係の中で成立する愛の交歓なの?
 そりゃMな人の同意があれば、煮ようが焼こうが自由なんだろうけどさ。
 そこを悪用したのが小林容疑者だ罠。
 同意の上に成立したSMプレイは生ぬ
        るそうな気がする。 調教もフィストもアナル拡張も実は真似だけとか、
 いちゃいちゃしてるのとたいして変わりないんじゃ?
 女王様と奴隷、またはご主人様とメイドの服装だけでいいなら、コスプレだしなあ。
 よほどの真性マゾじゃないと本当のアナル拡張やフィストには同意できないだろう。
 やぱ、悲鳴があがるか気絶するか、そんな殺伐とした雰囲気がいいんじゃねえか?女子供はすっこんでろ! でもか弱い女の子をいたぶる連中は許せんな。
 やっぱりある程度反抗的なやつを痛めつけるのが快感なんだろうと思う。
 192って子供の時から「悪徳の栄え」なんぞ読んでいるのか。 
        でもよく意味がわかったじゃん。
 子供が読んだら粘着で長くてつまらないと思うのが相場だよ。
 素質あるんだな。拡張チャレンジしてみたら?
 つか、いまでも忘れられないほど頭にこびりついてるシーンが知りたい。教えてください、ご主人様。 真似してみたけど、これでいいの?
   ▼   192から722へ おまえのサドはたんなる拷問だからなー。ワビサビってもんがないんだよ。じつはSMクラブの女王様って、プライベートではマゾが多いってゆうじゃん。
 マゾの気持ちがわからなければ、サドの責めやってもただの暴力になっちゃうよな。
 まあ、遊びやストレス解消で軽いSMプレイってのが普通なんだろうけど、
 たまにディープにはまっちゃう人がいるしね。
 
 まえにドイツで「殺して食いたい願望」の男と「殺されて食われたい願望」の男がネットで知りあってじっさいやっちゃったことがあったな。
 なんでもチンポはふたりで一緒に食ったらしいよ。
 それで最後まで計画は遂行しちゃったんだよね。
 マルキ・ド・サドのSMは一方的だな。お金も権力もある貴族連中が弱者に対して虐待のかぎりをつくすんだよ。
 虐待するために没落貴族のお嫁さんをもらった人もいるし、
 どっかから買ってきた子供たちを生きたまま鉄板で焼いて食っちゃったり。
 仲間内でも裏切りあって、いつ虐待してたほうがされる側にまわるかわかんない。
 裏切られて、いままで自分たちがしてたことがわかるからどんなに凄惨な目にあわされるか
 恐怖におののきながらいたぶり殺されていくんだよ。
 カットされたところはいっぱいあるけど、俺が印象に残ってるシーンは、仲間内だった貴族の夫人を天井から吊るして両足を大きく開かせて、
 まんべんなく内側に火があたるようにロウソクを立てて、言葉責めしながら
 体中にアルコールをかけて火をつけて、毒を飲ませてガクブルしてるところをまわしちゃうの。
 
 姉妹編に「悪徳の栄え」の主人公のジュリエットの妹が主人公の「美徳の不幸」ってのもある。こっちは修道院で育った善良な女の子が悪徳宿屋にだまされて客を拷問したり略奪するのを
 手伝わされるんだよ。早く拷問が終わるように、主人に言われるままに大胆なことしちゃうのが萌え。
 マルキ・ド・サドは、悪いことしたほうが勝ち、人間は悪徳から逃げられないってことを言いたいのかな。
 俺は超善良人間だから、ソフトなワビサビSMがいいなー。
 次の日に薄くのこった縛りの跡を見てウトーリしてみたりして。
 いいなーそういうの。
 
   ▼   722から192へ オレのサドはワビサビのないたんなる拷問か・・・(´・ω・`) 
        うーん、確かに一方的なサドは自己満足、被害者はたまったもんじゃないよな。
 マルキ・ド・サドの小説は「悪徳の栄え」だけ読んだことあるけど、 
        いまいちピンとこないし趣味に合わなくて読み飛ばしたなあ。
 今頃になってお前に解説してもらって怖さの一端に触れたような気がするよ。
 サドの考え方はお前のゆう通
        り「人間、悪いことした方が勝ち」、 つまり「人間の本性は悪徳で、美徳は表面だけであり偽善の皮を被っているにすぎない」と
 性悪説を唱えたかったんだろうね。
 サドという人物はサディズムの語源になったSMの元祖だから、経歴を調べてみたんだ。http://www.jinmei.info/data/20040930006.html
 
 ここで着目したいのは、14歳でイエズス会系の学校を中退している点。 
        その後軍隊に入ってるから元々抹香臭いのは性に合わなかったんだろうが、
 神の教えを掲げて厳格に信仰や規則を押し付けるくせに、形骸化してて偽善だらけの
 キリスト教への反発が性悪説の根にあったと推察してみるのはどう?
 先にも書いたけどサドの小説はちょっと読んだだけだが、神を冒涜しているのを意識していて、 
        背徳の悦びを改めてかみ締めて恍惚としてるような印象があるよ。
 この人、ホモ趣味もあったそうだけど、キリスト教は同性愛も禁じていたよね。
 でも、軍隊といっても近衛隊だし、自分の身勝手で奇妙な性癖を人を幻惑する小説に変換できる
 才能に恵まれていたにすぎないんだろうな。
  人々の顰蹙を買う小説を世間に投げつけて、自分の奇才を自慢したかったんだろうね。 
        サドの犠牲者や小説の中だけど火あぶりにされた貴族の夫人、カワイソス・・・
 
 なんか横道にそれてしまったけど、確かに最近は一方的なサディズムが横行しているな。 
        つい最近も人の断末魔が最高の快楽とかで、自殺志願者を騙して三人を殺害した男が
 逮捕されたけど、とんでもない話だよな。
 いくら死にたい人間でも、犯人の好みの死に方はしたくなかったろうに。
 ここで話したり実際の事件を見ると、SMプレイに必要なのはお互いの同意と信頼関係だと 
        おぼろげながらわかってきたような気がするよ。
 >次の日に薄くのこった縛りの跡を見てウトーリしてみたりして。いいなーそういうの。  例えばこの一文。 セクースの次の日、自分の首筋や微妙な部分に残ったキスマークを見て、昨夜の出来事を思い出してウトーリするのと同じだな。
 SMプレーは普通のセクースと同じ、互いの愛情に裏打ちされているべきだってことだね?
 愛情といっても深いものから軽い好意までいろいろあるけど、 パートナーにエクスタシーを
 感じてもらおうとする思いやりが大事なんだろ?
 上級者にとって、映像美のロマンポルノみたいなSMが理想なんだろうな。
 うーん、奥が深い。ただ虐待すればいいってもんでないことはわかったけどー。でもー。
 やっぱりハダカにしてムチでしばいて(以下暴力的につき自粛
 オレ、一時ちょっとヤヲイっぽい小説書いたことがあったろ。何で書いたんだろと考えたら、美青年をみんなで虐待っぽく弄ってるうちに
 拷問スレスレまで追い詰めて苦しんでいる姿が見たい!と思ったことから始まったんだよ。
 オレはやっぱりヘンタイかね?キモス?
 でも実行するには良識がありすぎるから、小説の中で192やイケメンをいたぶることにするから安心しる。
   ▼   192から722へ へえ、サドのこと調べたんだ。「フロイト学説やシュルレアリスムの祖であるとして再評価されている」って書いてあるね。
 俺はもともとシュールリアリストだから子供の頃サドを読んでもハマったのかな。
 なんだか、とっても凄惨な話なのに、どこか甘く懐かしいような感覚があったよ。
 退化した本能に暴力的な「他者を支配する」感覚が、多かれ少なかれ人間にはあるのかもしれんね。
 
 ほとんどの人間は理性や知性があるからそんな退行しないけど、じっさいに猟奇犯罪やっちゃう一部の人間はその本能が抑えられないんだろうね。
 で、俺たちはそういう事件に少なからず興味をもつ。嫌悪感の反面、ある種のファンタジーを
 かんじるのかもしれないね。被害者にはたまったもんじゃないし、厳しく裁いてもらいたいけどさ。
 二次元でそういうの読んでる分にはまだまだ健全だろ。合意の上のSMプレイも、お互いが納得してるんなら健全な範疇に入るんじゃないの?
 でも、昔、真性マゾと思われる女の人の日記サイトを読んでて思ったんだけど、なんだかSMって、とくにMが、自分でトラウマを作りだして、そのトラウマを癒すために
 変態行為を繰り返してるような気がした。もしかしたら小さいころに何かあった人が多いのかも。
 Sは、そんなMの姿を見て、トラウマの傷を舐めることによってカタルシスを感じてるんじゃないかな。
 
 日記サイトの女の人は、マンションの1室にほぼ監禁状態で、食べるのも出かけるのもご主人様の命令なの。黒いコートを買ってもらって、それにおしっこをして、そのコートを着て
 買い物に行ったり、バカみたいな歌と踊りを全裸で一晩中やらされたり。
 一番かわいそうだと思ったのは、ご主人様にフィストされてるとき、とつぜん頭をもちあげられて、
 フィストしていたこぶしを見せられたら、その手は出血でピンク色に染まってたんだって。
 「それを見て私は幻惑した」って書いてあるの。
 なんか痛々しいけど、彼らにはそれが満足なんだよね。俺らもちょっとあるじゃん、セックスの最中に軽く言葉責めしてみたり、
 わざと乱暴にしてみたり、逆に乱暴にされて感じちゃったりとか。
 なんかね、SMは快感の中で非現実感にトリップできる早道なんだと思うよ。
 おまえのみたいな拷問はゴメンだけど、ソフトSMなら俺はいつでもオッケーだよ。誰かステキな人はいないかしら。節操ないから、SでもMでもどっちでもやりまっせ!
   ▼   722から192へ ん?ここにいるじゃないか。この素晴らしいオレ様が! 
        オレはサド属性だから、お前には成り行き上Mをやってもらうことになるが、
 節操なくてどっちでもいいってことだから当然文句はないはずだな?
 じゃー遠慮なく、拷問開始! さっさとパンツを脱げ!
 手始めにケツに入魂棒100発の刑に処すっ♪
   ▼   192から722へ
 イヤーン、ワクワク・・・って、結局ただの拷問じゃないか!
 やっぱりおまえはわかってない!!
     
           2005.8.22 
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